2011年以降に導入予定だそうですが

「国際会計基準」の導入で日本企業にどんな影響が…

2008.10.23 THU



イラスト:牧野良幸
いま、日本経済界は「国際会計基準」の導入という難しげな問題で頭を悩ませているらしい。この基準は、もともとEUで使われており、いまや世界100カ国以上で採用されている。9月にアメリカが採用を表明。日本でも導入の検討に。でも、そもそも会計基準って何? 財務会計コンサルティングを手がける武田公認会計事務所の武田雄治さんに伺った。

「会計基準とは『企業の財務状況を示す際のルール』のこと。このルールが日本と海外で異なると、海外の投資家には不便ですよね。たとえば、同じ財務諸表でも日本企業と外国企業とで比較ができず、業績の良し悪しを判断しづらいのです」

国際会計基準への統一は、先進国内で日本だけが孤立することを恐れた見切り発車。様々な困難が予想されるというが、具体的にどんな影響があるのだろうか。

「やはり、企業の業績への影響は無視できません。大きな違いは『のれん代』(営業権)の取り扱いです」(同)

のれん代とは、その企業が持つ「ブランド」「ノウハウ」「商圏」などの無形固定資産。既存の会社を子会社にする場合、その時点の純資産額に加え、この「のれん代」を加味して買収額が決まるわけだが。

「20年以内の償却が求められる日本では、A社がB社を買収して『のれん代』が100億円発生した場合、A社は少なくとも毎期5億円ずつ『のれん代』を費用として計上し、毎年の利益はその分減ります。しかし、国際会計基準では、原則的に『のれん代』を費用として計上する必要がなく、利益が減少しないのです。仮にA社の利益が3億だとすると、日本の会計基準では2億の赤字。一方、国際会計基準では利益は3億のまま。同じことをしても日本では赤字を、EUでは黒字を公表することになります」(同)

なるほど、基準次第で業績判断が変わってしまう、と。会計基準の統一は、グローバル経済に向けて日本企業が求められる「産みの苦しみ」なのだろうか。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト