米欧6カ国が一斉の利下げ

金融政策キホンの“キ”!「利上げ」「利下げ」解読法

2008.10.30 THU



写真提供/時事通信
世界的な金融危機に直面、アメリカ、ヨーロッパの6カ国の中央銀行が協調して政策金利を引き下げたのは記憶に新しい。実は少し前にも、中国の中央銀行・中国人民銀行が、金融機関の貸出金利を引き下げると発表していた。中国の「利下げ」は2002年2月以来、6年7カ月ぶり。世界経済の先行き不透明感の高まりなどを受けて金融緩和に転じた、とニュースには書かれていたが。

利上げ、利下げは、中央銀行による市場に出回るお金の調整を目的とした金融政策。例えば、中国では金融機関向けの貸出金利を下げた。金利が下がると単純にどういうことになるか。お金を借りたい人は、高金利よりも低金利の方がうれしい。そこで、お金を借りる意欲が高まる。結果的に市場にお金がたくさん出回る。お金がたくさん出回れば、消費や設備投資で使われるから、経済は活性化する、という論理。

一方の利上げはどうか。これも教科書的に言えば、金利が上がると、借りようとしている人はためらう。こんなに金利が高くてはというわけで、市場に出回るお金は減る。景気が過熱して物価が上昇したときなどには、有効な政策になる。というわけで、景気が後退、と思ったら利下げして市場に出回るお金を増やし、過熱してバブルのようになるかも、と思ったら利上げして市場に出回るお金を減らして景気を冷やす。そんな調整機能なのである。

利上げ、利下げは世界中の国が金融調整として使っている。だが、先進国の中で、先の6カ国の協調にも参加せず、この調整機能を大胆に使えない国がある。そう、日本だ。日本の政策金利は、実に0.5%。利上げはともかく(不景気に利上げができるはずもないが)、もはやほとんど利下げのしようがないのだ。景気を拡大させようとしても、金利による大胆な金融調整は極めて難しい。さて、では日本は今後、どのように金融政策を舵取りするのだろう。この事実を頭に入れつつ、今後の日本の金融対策、景気対策に注目したい。


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