日本や欧州企業が続々参入!

“海水を飲めるようにする”淡水化ビジネス最前線

2008.10.30 THU



写真提供/東レ
世界の「淡水化ビジネス」市場において、日本企業の水処理膜が大きなシェアを獲得しているという。淡水化ビジネスとは、おもに中東や北アフリカなどの水が不足しがちな地域に向けて、海水を淡水化し、飲用水や工業用水として提供する事業のことだ。では、なぜこの分野で日本の製品が大きなシェアを獲得することができたのだろうか?

「日本企業は現在、『逆浸透法』を用いた海水淡水化プラントの水処理膜において、世界シェアの7割近くを占めています。『逆浸透法』とは、特殊な膜で塩分などをろ過して真水を得る方法のこと。膜には電子顕微鏡でも見えないような小さな孔があいており、圧力をかけて水分子のみを通し、塩分などの不純物は通さない作りなのです。この膜を作るのが難しいため、技術力に長けた日本がほかの国より一歩リードしているのです」(東レ・丸橋清之さん)

海水の淡水化は、このほかに海水を沸騰・蒸発させて真水を得る『蒸発法』があるが、エネルギーを大量に消費するため、行われているのは中東産油国に限られているそう。一方の逆浸透法は、合成膜の性能向上や大量生産が可能になるなど、コスト削減に成功。水不足地域に海水淡水化施設を増やし、現在は日本企業の膜だけでも毎日700万トンの淡水を生み出している。東レや東洋紡などの繊維・化学企業は、実は1960年代から研究を行っており、ようやく今、実を結んでいるところなのだとか。

「身近なところでは、実は日本国内でも淡水化施設は稼働しています。福岡や沖縄本島に比較的大きなプラントがあるほか、瀬戸内海にある島や沖縄の離島など、安定した水の供給が難しい地域に、小型の淡水化プラントが設置されているんですよ」(同)

逆浸透法は、海水だけでなく汚水や下水の再利用にも使われている。現にシンガポールでは、下水を再び工業用水や飲料水にする過程のなかで、この技術が大きな役割を担っているのだとか。逆浸透法が水不足を救うかも、ですね。


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