50年後の主役は両大国?

どっちが強い国になる?中国vsインドの今後を占う

2008.11.13 THU



写真提供/時事通信
超低価格車として話題になったインド、タタ・モータースの「ナノ」。先日、工場建設が農民らの反対運動で頓挫したとニュースが流れた。そんなインドについて、中国と対比すると興味深いと語るのは、今も世界中を飛び回っているソニー前CEO・出井伸之さんだ。

「インドに行って驚くのは、一部を除いて1000万人規模の都市でも都会という感じがしないことです。近代的な道が整備され、高層ビルが林立といった光景がない。対照的に、あっという間に近代化した大都会を作り上げてしまったのが中国です」

これぞ経済発展で一歩先を行く中国との差か。では、この差はどこにあるのか。

「インドは第2次大戦後、3つのDを推し進めてきました。デモクラシー(民主主義)、ディコロニアライゼーション(脱植民地)、ディキャスト(脱カースト)。とりわけインドの大きな誇りはデモクラシーなんです。だからこそ、政府が強権を発動して立ち退き、なんてことをしないわけです」

民主的なプロセスをとにかく重視する。だがその良さは逆に、大きなインフラ整備の妨げにもなりうる。たとえ「ナノ」のような世界が注目する自動車の工場建設でも、 反対運動で頓挫もあるわけだ。

「対照的に中国は、一党政治社会主義の国。決断と実行は本当に早い。中国とインドの近代化の姿は、まさに象徴的なコントラストといえるでしょうね」

ただ、だからといって、どちらが勝つか、という単純な話にはならない、と出井さん。

「短期間で加速度的な経済成長を実現するためには、中国のような一党体制の方が適するのは事実でしょう。でも、インドを見てみると、都市化にともなうインフラ整備は遅いものの、じっくりとデモクラシーを育て、国力をつけていっている部分もある。どちらが幸せか、は経済成長という指標だけでは測れないと思いますね」

なるほど、奧が深い。インドと中国の今後、この対比の視点を頭に入れておくと、面白く見えてきそうだ。


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