あわよくば出世する技術

第1回 みんな出世したいと思ってる?

2008.11.28 FRI

あわよくば出世する技術


書店の店頭には、ビジネスマンのスキルアップ指南書が山ほど積まれている昨今。しかし、昇進を望む声は意外と少ないのが現実!? スキルの習得には前向きな人でも、出世と必ずセットで付いてくる“責任”の2文字に、及び腰な20代が多いらしい…

意外な現実!?半数が「出世を望まない」



「あいつは出世しそうだな」

若くしてそつなく仕事をこなす同僚に対し、僕らは時折、ある種の憧れを込めてそんな表現を用いることがある。それは、 仕事をする=出世するのがベストという通念が、漠然とながらも存在している証拠だろう。

会社の中でランクが上がるのは良いことに決まっている。出世して偉くなれば、社会人としては大成功。きっとウハウハな人生が待っている。

などと決めつけてしまうのは、ちょっと早計かもしれない。今夏、あるネットマーケティング会社が収集したアンケート「出世に関する意識調査」によると、20~40代のおよそ半数が出世に関する意欲を持っていないことが判明した。


年代別に見れば、年齢が上がるにつれて出世欲が低下していることまでわかる(あきらめた?)。これはちょっと意外な現実だ。

どうせならもっとリアルな声を拾ってみようと、身近な会社員に片っ端からヒアリング取材を行ってみた。その結果、確かに出世に関する前向きな意見というのは、案外少ないのだ。

「ずっと今の会社に勤めるかわからないので、別に偉くならなくてもいい」(24歳男性・通信)
「役職が付くと、残業代が出なくなって給料が下がる」(28歳男性・サービス)
「現場にいたいし、部下の世話をするのは面倒くさい」(29歳男性・IT)

もちろん、ポジティブな声が皆無というわけではないが、全般的な印象として、終身雇用など念頭になく、現在の職場での出世に対してリアルな展望を持っていない人が多いようだ。

昨今の就業事情に詳しい、経営コンサルタントの中島孝志さんに意見を伺った。

「出世とは責任と権限がワンセットになったもの。両者を比較した時、割に合わないと感じる若者が多いようですね」

うーん、いかにも消極的だが、その心理もわからなくはない。要は、出世に対するメリットをいかに見いだすことができるか、なのかも。

かくいう僕も、かつてはスーツを着てごく普通のサラリーマン生活を送っていた身。早々に独立して文筆業を始めてしまったが、入社当時それなりに張り切っていたのは、同期の女子社員らの前でかっこつけたい、という確固たる目的(?)があったような気がする。

つまり「目的」さえ見いだせば、出世は割に合うわけだ。

「そもそも、出世=昇進という定義がすでに昔のものなんです。考え方を変え、自分のやりたいことがやりやすくなる立場、つまり可能性が広がるポジションに就くことと考えれば、またモチベーションも変わってくるのでは?」(中島さん)

やりたいことがやりやすくなる立場――。うん、これは魅力的! 僕らが出世を目指す理由は、このフレーズに見いだすことができそうだ。
同期が順調に役職を上げていくのを尻目に後悔をしても、その時ではもう遅い! …かもしれない。将来の目的にかかわらず、出世には必ず何らかのメリットがあるはず。肩肘張らずとも、せめてチャンスの芽はつぶさずに!

あらためて見直そう「出世」のメリットって?



職場に対する不満というのは、誰しも大なり小なり持っているのではないだろうか。

どうせ働くなら、やりたい仕事や理想的な環境に少しでも近づきたい。その手段のひとつが「出世」であるとしたら、皆さんはどう考えるだろう?

経営コンサルタントの中島孝志さんは、次のように解説する。

「出世のメリットは大きくふたつ。ひとつは自由になる予算が増えること。身近なところでは交際費の拡大もそうですし、一定の決裁権を与えられることも、事業予算という意味では同様ですね。たいていの企業では、課長職以上を会社の代表として扱う傾向が強く、ある程度の決裁権を与えていますから」(中島さん)

役職を得たことで給料の手取り額が下がるケースは多いようだが、扱える予算枠の拡大は、確かにメリット。会合の席で「お金は集めないでいいよ、これは仕事だ。業務上の経費になるから」なんて自分の裁量で決められたら、ちょっといいところを見せられるのでは?

「もうひとつは、対外的な信用度の問題。名刺に肩書が添えられているだけで、相手の安心感は無条件に上がりますし、自分のブランドを高めるために出世というのは非常に便利です」(同)

これは何も、仕事上の話にかぎらないはず。合コンなどの場で初対面の女子に名刺を渡す際、肩書きのないヒラの名刺を手渡すことに気後れせざるを得ない年齢が、間もなくやってくるかもしれない。

中島さんの指摘する2つのポイントは、社会人として「やりたいことをやりやすくする」ために非常に重要なことだ。

もし、あなたが将来的に転職や独立を考えていたとしても、現職で出世しておくに越したことはない。立場が上がれば、やれることも出会える人の幅も広がるから、それらの経験値は必ずや次のステージでも生きるはず。

「出世をしないことにメリットなんてありません。入社というスタートラインはみんな同じでも、20代をどう過ごすかによって、30代になった時には明確な差が生じているはずですよ」(同)

将来の目的にかかわらず、出世することで得られる恩恵は大きい。出世とは、責任という重圧が発生する反面、僕らの可能性を広げてくれることは間違いなさそうだ。みんなも自分の望む出世の形について、ぜひ考えてみてほしい。 出世に対する野心というのは、人によってハッキリと温度差がある。
「出世なんてしなくても、普通に暮らせればそれでいい」という無欲な人、きっとあなたの周りにもいるだろう。
何も、すべてを犠牲にして昇進することにまい進しよう、と窮屈なことを言うつもりはない。
本コラムではあくまで、仕事や日常を楽しみながら、
あわよくば出世の一助となるようなスキルアップの術を、皆さんと一緒に模索していきたい。
そこで、緊急アンケート。皆さんの出世観についてお聞きします。

現在の職場で、あなたは出世を望む? それとも出世したくない?

その理由も添えて、たくさんのご意見をいただければ幸いです!

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