株主だけの問題じゃない?

つまり…株価が下がると何がダメなの?

2008.12.11 THU



写真提供/APImages
なんであんなに大騒ぎするんだろう、と思っていた人も少なくないかもしれない。株価の下落について、である。株を持っていない人にとっては、株価が下落したところで損が出るわけでもない。「あれは、株を持ってるお金持ちの話だろ」という声も聞くが。

最もわかりやすいところでいえば、あなたが持っていなくても、あなたが勤める会社が株を持っている可能性があることだ。100の価値を持っていた株が50の価値に落ちてしまったとすればどうなるか。会社には大きな損失なのである。

現在の会計システムは、損失が出たら損失処理をしなければいけない。株を売らなかったとしても、損失として扱わなければいけないのだ。これが含み損。実際、10月末の段階で一般上場企業の含み損は7兆円にも達する推計が出たとの報道があった。

もしかすると本業ではきちんと利益を出していたのに、保有していた株価の下落による損失で、本業で稼いだ利益が会計上は相殺されてしまうこともある。利益が減る、となれば、会社員の給与にも悪影響が及びかねない、ということ。

さらにいえば、株式をたくさん持っている会社は、株価下落でそれだけ大きなダメージを被る。それはどこかといえば、例えば金融機関なのだ。しかも金融機関のダメージは、金融機関だけにとどまるものではないところに問題がある。2002年の株安時には、破たん懸念から実質国有化に追い込まれた大手銀行があった。巨額の損失は、銀行の体力を奪ってしまうのだ。

体力が落ちた銀行はどうするか。端的にいえば、リスクを取らなくなる。つまり、融資を絞る。貸し渋り、あるいは貸しはがしが起こるのだ。これが融資先の企業経営を直撃。事業の資金繰りがつかなくなった企業は倒産に追い込まれる。実際、倒産件数は悪化の一途をたどっており、上場企業の倒産に至っては、戦後最悪のペースである。株下落、まさに他人事ではない。自分に直撃しうる話なのである。


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