業界別ビジネスモデルの謎

第3回 接客ナシで楽ちん? ネットカフェの謎

2008.12.19 FRI

業界別ビジネスモデルの謎

「世の中のサラリーマンは、どれくらいの人がサイドビジネスをしているんでしょう? 会社にいる有能な上司はみんな、給料が安い安いと言いながらも、身につけているものや食べるものは高価なものばかり。会社の給料だけでこんなにも生活が潤っているのはどうも納得がいかないきっと、こっそりサイドビジネスをしているに違いない。かくいう私も25にして妻子持ち、入社3年目で残業も少ないので、会社の給料だけでは正直お金が足りません(お小遣いは食費込みで2万円)。限られた時間の中でできるサイドビジネスを見つけて、家族を家庭を、何より自分の財布を潤すのが夢!! 何かいいサイドビジネスないかなぁ」

正直、激しく同意してます。野中です。
ほかの編プロ社長はなんであんなに羽振りがいいのか。

ちなみに前回は、チェーン展開するハンコ屋さんがハンコ作り以外にも、
ゴム印を作ったり、名刺を作ったり、ハガキやチラシを刷る業務を行って
儲けていたことを知りました。
そのような隣接領域で業務を広げる販売戦略を「業態化」というそうです。

これと同様に、自分が今やっている仕事の隣接領域で、
こっそりできるサイドビジネスがあればいいんですけどね。
そうすれば限られた時間の中でガッポリ儲けられるはず。

その参考となるべく、今後も「楽して儲かるビジネスモデル」を必死で探して参ります!
A-tsuさんの、皆さんの、そして何より私、野中の財布を潤わすためにもね!!
イラスト/村田らむ ネットカフェは設備さえ作ってしまえば、運営していくのは比較的楽。飲食業などと違って高い接客レベルが求められるわけでもなく、基本は立地と設備勝負です

客が自由に遊んでくれるネットカフェってどんな商売?



『ネットカフェ』とはインターネットが自由にできる空間を提供する商売。それで通信ゲームをしたりwebサイトを閲覧したりするのがメインなのですが、ほかにもマンガが豊富な喫茶としての利用、AV見放題の『個室ビデオ店』的利用、シャワー&快適リクライニングシート完備の『簡易ホテル』としての利用などなど、様々な利用法が用意されています。

先日、私、野中も仕事のリフレッシュ(もしくは締切からの現実逃避)として利用したのですが、そこで、ふと、思ったのです。

ネットカフェでは客が勝手に自分の好きなことをして過ごしているだけ。サービス業なのに接客はほとんどないように見える。つまり、人件費は激安!? これこそ「楽して儲かるビジネスモデル」ではないのでしょうか! ビジネスモデルに詳しい経営コンサルタントの小屋知幸さん、どうなんですか!!

「ネットカフェは、あまり儲からないというのが現状です」

え!? 街に乱立しているように見えるのですが。

「すでに供給過剰となっているのです。ここ数年で競合店が非常に増えて、それで利益を奪い合っている状態。簡単に儲かりそうだという理由で参入・起業してくる会社や個人が非常に増えた、増えすぎた状態ですね」

しかし、もともとは簡単に儲かっていたから同業者が増えたということですよね?

「開業資金さえあれば参入は簡単ですし、確かに開店した当初は最新設備なので儲かるんです。しかし、その設備状態を維持していくのが非常に困難なんです。ネットカフェのビジネスモデルを一言でいうと、サービス業の中では例外の設備産業です。快適な空間や設備を使用できる対価として客がお金を払う商売。現状、その設備投資がかなり重い状態です。サービスの複合化が激しく、岩盤浴やマッサージのある店もあります。パソコン、マンガだけでは客が呼べない状態。パソコンやマンガにしても、例えば通信ゲームにベストな環境であるのか、マンガ蔵書は充実しているのか、という部分を客は重視します。現在、ネットカフェ消費者の中心はそのようなマニア、ヘビーユーザー。彼らは環境の整った店を口コミでいち早く知り、そのつど、店を変えていきます。最新設備ならばまずは呼べる。しかしリピーターにするには常に最新設備の提供をしなくてはならず、それにはリニューアルが必要ですが、常に最新設備の状態を維持するには2~3年でリニューアル投資が必要です。ところがこのビジネス、投資の回収には普通5年くらいかかるんですね。最初は調子いいけど、結局は赤字と言うのがよくあるパターンです」

それは儲けるには困難ですね。えーと、ネットカフェはなしということで

「いやいや、ネットカフェはこれからです。不況でも安近楽(安価、近い、楽チン)消費は削られにくいといわれてます。近場で遊べて、楽にネットを楽しめ、安く時間のつぶせるネットカフェの利用全体は低下しないでしょう。そこで過剰な店舗が淘汰されていけば、まだまだこれからチャンスがあるビジネスです」
撮影協力/ほっとステーション・船堀店 かつては仕切りのないオープン席が主流だった漫画喫茶ですが、最近ではお客さん各々のプライバシーが守れるようにパーテーションで区切られているのが一般的。ただし2006年改正の風営法の解釈に触れるので完全な密室にはできないそう

店舗過剰なネットカフェ 今から開店して儲かる可能性は?



駅の周辺、国道やバイパス沿いにある多数のネットカフェ。
儲かっているのかと思いきや、実際は店舗が過剰気味で利益の奪い合いが激しい状況。

それでも儲けているところはあるわけで、どのくらい利益があるのでしょうか?
ネットカフェ開業支援を行っている株式会社QLCの三浦一晃さん、教えてください。まずは開店資金から。

「ちょっとしたスペースにマンガを置くだけの、いわゆるマンガ喫茶だった頃は1000万円~1500万円程度で開店できたのですが、4、5年前から状況は変わってきました。今は性能の良いパソコンを置かなくてはなりませんし、ほかにもシャワーなどの設備が必要になっていますので、安くて3000万円~4000万円。100坪~200坪レベルの店舗だと、6000万円~7000万円くらい必要です」

結構、かかりますね。それで売り上げがどのくらいですか?

「100坪クラスの店で月に400万~500万円が平均ですね。仕入れはフリードリンクとお菓子くらいなので、通常85%~90%の収益率となります。そこから家賃や光熱費、人件費などを引いて、2~3割残ればいいというところですね。その状況で初期投資を回収するのに平均5年は必要だといわれています」

現在、ネットカフェの需要はどれくらいあるものなんですか?

「じつは、一般的な成人でネットカフェに行った経験のある人は2割もいないんですよ。しかしこれは逆にいうと、どんな場所か知らない人が8割もいるということ。意外かもしれませんが、依然マニアがお客さんの中心なので、一般の人にどんな場所かちゃんと知ってもらえれば、これからも顧客を集めていける、非常にポテンシャルの高い商売でもあるんです」

まだまだ儲けられる可能性を秘めた商売なんですね。

「今のネットゲームをやる終電を逃した時に利用するといったはっきりした動機がある人だけをターゲットにするのではなく、例えば待ち合わせの時間つぶしに使えるような気楽に入れる雰囲気を作るとか。ファストフードで時間をつぶすのに300円~500円かかることを考えれば、同じような値段でネット無料、雑誌やマンガ読み放題、ドリンク飲み放題ですからね。そのようなネットカフェの利用法を知ってもらえれば、もっと顧客を増やせますし。そのような顧客のニーズに合わせた店作りが自由にできますからね。まだこれからの商売だと思いますよ」

確かに、設備産業だけに設備投資はかさみますけど、その設備次第で顧客の層を変えられる。そこさえうまくいけば収益率85%~90%ですからね!
まだまだ、「楽で儲かるビジネスモデル」が生まれる可能性のある業種かもしれません!! 「我が編プロ事務所に積んである資料用のマンガと
使用されずに放置されているパソコンを使えば
簡単に始められる! 接客は極少だから寝てても
儲かるんじゃないの! ネットカフェって!!」
と思っていましたが、そんなに簡単な話ではないようです。

現在、店舗が過剰気味になっているそうですし。

カラオケボックス同様に市民権を獲得して、
「時間つぶしに便利なお店」的なイメージが付いたときがチャンス!

そのときの開店資金を稼ぎ出すべく、
楽して儲けるビジネスモデルの探求はまだまだ続きます!
皆さんが気になる業種、気になるお店、なんだかわからないけど
羽振りのいい人ばかりが目に付く業界、その他、ビジネスに対する
疑問等がございましたら、多少にかかわらずお便りをお寄せください。

私、野中が徹底取材して、ビジネスモデルの謎に迫ります!!

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