業界別ビジネスモデルの謎

第4回 男の夢!? 仕事としてのキャバクラ運営

2009.01.09 FRI

業界別ビジネスモデルの謎


イラスト/村田らむ お客としてキャバクラに払う高額なお金も、経営者からみればそれが“売り上げ”。キャバクラ経営がこの記事のテーマ理想のビジネスだったりして…?

不景気でもなくならない! キャバクラの秘密とは?



月に数百万単位の稼ぎを上げる美人キャバ嬢の特集が組まれた雑誌やTV番組を見て、「キャバ嬢がこれだけ稼いでいるなら、彼女たちを雇っている経営者はもっと儲けているのでは? しかも綺麗な女性に毎日囲まれて、モテまくりだったりして!」と妄想。もしかしたらキャバクラ経営も悪くないかも、と思ったわけです。

でも実際にキャバクラを開店するにはどうすればいいんでしょうか?
そしてどのような営業形態で、どのくらいコストがかかり、どのくらい儲かるのでしょう?

都内を中心に十数店舗のキャバクラのプロデュースを手がける飯嶋さん(わけあって仮名)に聞いてみました。
まずはキャバクラの営業形態から教えてください!!

「キャバクラとはキャバレーとクラブを合成したものです。キャバレーのような明朗な時間制料金をとっていながら、クラブのような高級感をあわせ持つ飲食店。一般的な料金設定はスナックと高級クラブの中間に位置します。サービス内容は、一般にキャバ嬢、お店側はキャストと呼ぶ女性がお客様の隣に座り、お酒をつくったり談笑するといった接待を行います。性的行為は禁止です」

開店資金やコストはどのくらいかかりますか?

「ワケあり居抜き物件(経営難で店主が夜逃げした物件など)を利用すれば、設備や備品をそのまま利用できますから、初期コストを低く抑えられます。小箱(キャストが10人程度の店)なら、最初の家賃と保証金、インターネットやモバイルサイトでの求人広告費など、もろもろで最低300万円あれば開店可能です。仮にその条件で始めて1カ月に300人の来店があれば、450万円程度の売上が見込めるでしょう。そこからキャストと男性スタッフの給料、家賃や酒などの仕入れ代、水道光熱費などの経費が300万円くらいかかりますから、うまくいけば150万円程度の利益は出るかもしれません」

ワンマン経営なら十分な儲け。すぐにでも始めますか!

「いやいや、でもそれは2~3年前までの話です。キャバクラはお客様にお酌をするといった『接待』をするため、風俗営業の許可が必要。つまり風適法(風俗営業等の規則及び業務適正化等に関する法律)によって、深夜0時(地域によっては1時)を越えての営業はできません。以前は取り締まりも緩かったので、深夜も営業しているお店が多かったのですが、全国的に時間外営業の取り締まりが厳しくなっているのです。結果、売上は落ち込み、それを補うべく、朝や昼にも営業する『朝キャバ』や『昼キャバ』を行っている店があるほどです」

なるほど、今は簡単に儲けられる業種ではないということですか。
しかし朝でも昼でも営業すればお客さんが見込めるほどの魅力があるってことですよね?

「キャバクラのお客様は若くてかわいい女の子と話をしたい、仲良くなりたいと思っています。『口説けるかどうかわからないというスリル』に高い価値を置く人なのです。疑似恋愛体験をしたい、と。景気が悪くてもキャバクラがなくならず、お客様が通うのは精神的満足感があるからこそなのです」
『club MACHERIE』の人気キャバ嬢、美咲梨々ちゃん(左)と綾瀬ゆきなちゃん(右)。彼女たちに言わせれば、キャバ嬢はお金がすべてと思われがちだけどそんなことはないそう。「居心地の良いお店だったら長くいたいな」と思うとのこと

キャバクラ経営最大のポイントとは?



若くて綺麗な女の子と楽しくお酒を飲みつつ、疑似恋愛。
うまく口説ければ、この上ない精神的満足感を得られるのが魅力のキャバクラ。
経営するとなればほかの業種にはない、お店作りが必要になるはず。

もし自分がキャバクラのオーナーになるとすればどうすればいいのでしょう。
池袋で『club MACHERIE』というキャバクラを経営なさっている、大西譲さん!
お店作りのポイントを教えてください!!
と、その前に。大西さんがキャバクラを経営するに至った経緯からお願いします。

「ボーイとして入って、気がつけばこの業界に13年いますね。入って1年目で店長になり、その後、いろいろな店を転々と回りました。5年くらい前、大きな店の店長になった時に『のれん分けして店を出さないか』という誘いがありまして、経営を始めることになりました。今年の4月で3年になります。この業界にいると『店を出さないか』という誘いは多いです。キャバクラをやるなら、ボーイからこの業界に入るのがいいと思いますよ。素人が脱サラして始めるのは非常に難しいでしょう。特に資金面。キャバクラのような風俗営業許可が必要な業種に対して、銀行は金を貸してくれないんですよ。女の子が隣に座って接客しない『ガールズバー』のような飲食店扱いならば、国民生活金融公庫などが低金利で貸し付けてくれるんですけどね」

なるほど。それで経営してみてどうですか?

「うちは女の子とお客様込みで50人くらい入る店なんですが、調子のいい時で純利が月1500万円くらいありますね。特にボーナスの時期である12月が一番売上があります。また人気のある女の子に誕生日がある月はいいです。居酒屋などの飲食店とキャバクラの最大の違いは、提供するものがお酒ではなくて女の子のサービスであるところ。女の子は私が自らスカウトもしますし、求人も出します。在籍している女の子から紹介してもらうこともあります」

雇ってから注意しなければならないのはどういったところなんでしょうか?

「お店に入ったら、あとは教育。私は男ですから、男性のお客様が何を言われてうれしいかがよくわかる。それを女の子に教えます。それをお客様に試すことで、女の子は手応えを感じ、覚えていくんですよ。そうして売れる子ができればお店は繁盛します。問題はいかに売れる子をお店に定着させるか。この業界、女の子をお金でひっぱり合っているので、『うちだったらもっと出す』と誘惑の声も多い。金銭合戦になったら際限がありませんから、お金に負けないような何かを持ってないといけない」

具体的にはどういったことなんですか?

「相談に乗ってあげたり、時には叱ってみたりしてます。金銭面ではなく『この店が好きだから』『男性スタッフが良くしてくれるから』という理由で女の子に残ってもらうための環境づくり。居心地の良い店を作ることが大切なんです」

キャバクラは疑似恋愛を楽しむ場所。お客さんを恋人気分にさせるのが上手な売れる子を囲えば囲うほど、売上は上がる。そのような女の子にとって居心地の良い環境作りが、キャバクラの店作りにおける最大のポイントになるわけですね。なるほど。

つまりキャバクラ経営で重要なのは、女の子の扱いがうまいこと!
うーん、女の子の扱いですかぁやっぱ、きびしい!! ちなみに、「女の子に囲まれてモテモテなんじゃないですか?」と
キャバクラ経営者にたずねたところ

「確かによく言われますが、世間一般の人が思うほど、女の子と楽しく
仕事できるわけじゃないです。女の子も仕事だから、男子従業員にきつく
文句も言います。店を経営する立場ですと、休みたがる女の子を叱ったり
もしますし、ケンカも毎日しますよ。だから女の子に対する下心は、一瞬で
なくなります。面接の時くらいじゃないですかね、『かわいいな』と感じる
のは。知れば知るほど、裏が見えますから。お客様に対する裏表も全部
見ていますし。『恐ろしいな』と思うときもあるくらい」

うーんきびしい!!

というわけで、「楽して儲けるビジネスモデル」の探求はまだまだ
続けていかなくてはならないようです!
皆さんが気になる業種、気になるお店、なんだかわからないけど
金払いのいい客ばかりが目に付くお店、その他、ビジネスに対する
疑問質問等がございましたら、お便りをお寄せください。

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