日本も他人事じゃない?

アメリカ自動車産業ビッグスリーはなぜつぶせない?

2009.01.22 THU



写真提供/時事通信社
倒産しそうなので助けてくれなんてムシのいい話があるのか、とも思うが、アメリカは真剣になってそれを議論した。自動車ビッグスリー、GM、フォード、クライスラーの問題だ。実際、アメリカ国民の間では、特定産業だけ守るのか、という声もあった。ワシントンでの公聴会に各社トップがプライベートジェットで乗りつけたことも印象を悪くした。選挙という洗礼がある議員は、国民の意見をないがしろにはできない。だが、議論は紛糾。大手自動車メーカーをつぶすのは、経済に衝撃が大きすぎる、というのだ。

そもそも自動車産業は、景気への影響力が大きな産業だ。産業自体の巨大さに加え、自動車メーカーを頂点にすそ野が膨大に広い。数万もの部品からなる自動車。メーカーに製品を納めるのは、鉄鋼、ガラス、ゴム、プラスチックといった原材料から電装品、半導体といった精密機械部品まで多岐にわたる。また、保険、運輸、広告など、深く関係する産業も少なくない。自動車メーカーが揺らげば、これらの産業すべてに影響が出る。それは他産業にも余波をもたらす。実は幅広い産業で、膨大な数の雇用と生活を支えているのが自動車産業なのだ。

実際、もしビッグスリーがつぶれたら、失業者は自動車製造従事者に限らない。100万人とも400万人ともいわれる。さらにビッグスリーは巨額の社債を発行しており、多くの金融機関が保有している。それが紙くずとなれば、金融機関は巨額の損失を抱え、危機に陥りかねない。まさに影響は甚大。

そして日本も対岸の火事と言っていられない。もしビッグスリーがつぶれたら、部品メーカーが危なくなる。その部品メーカーから部品を調達している日本の自動車メーカーもある。製造にも支障をきたしかねないのだ。そもそも大量の自動車をアメリカで販売しているのが、日本メーカー。不況による販売減はすでに直撃している。ビッグスリー問題は他人事ではない。その行く末、注意して見ておきたい。まずはオバマ大統領がどう決断するか、である。


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