世界各地で通貨統合の波が!

北米共通通貨「アメロ」誕生?ウワサの真相を読み解けば…

2009.01.22 THU



写真提供/アフロ
金融危機で基軸通貨としての米国ドルの地位が揺らいでいるなか、すごい話がウワサされている。米国がカナダ・メキシコと3カ国で経済統合してEU(欧州連合)のような北米連合となり、ドルに代わる共通通貨をつくるというのだ。この北米連合は「アメロ」と呼ばれ、共通通貨の名称もやはり「アメロ」。CNNなどもこのニュースを報じたために、昨年からちょっとした話題となっている。

背景にあるのは、ドルの信用が下落しているうえ、米国の財政赤字が天文学的な数字になりつつあること。そして3カ国が1994年から北米自由貿易協定を結んでいて、すでに総人口約4.4億人の北米経済圏があるというのもそのひとつ。地域統合研究の第一人者で経済学者のベラ・バラッサは、その著書『経済統合の理論』でこう言っている。経済統合は(1)自由貿易協定、(2)関税同盟、(3)共同市場、(4)経済同盟、(5)完全なる経済統合と進んでいく――。実際、EUもだいたいこんなプロセスで進展したのだ。

この「アメロ」がウソかホントかはともかく、EUがユーロという共通通貨をつくって拡大してきたことから、いまや通貨統合の動きは世界のあちこちでも起きている。たとえば、東アフリカ共同体(EAC)は2015年に通貨統合する予定で、通貨の名称も「東アフリカ・シリング」に決まっている。ペルシャ湾岸6カ国で構成される湾岸協力会議(GCC)も2010年の通貨統合を目指していて、通貨の名称は「カリージ」。近い将来、このカリージがドルに代わって原油の決済通貨となるかもしれないわけだ。

共通通貨導入のメリットは、まず両替手数料が不要となるからコスト削減でき、域内の為替レート変動という通貨の不安定要素もなくなる。また経済市場が統合されるので、国際競争力のある企業が生まれやすくもなる。もともとEUが通貨統合したのは弱い欧州が強い米国に対抗するためだった。底なしの世界同時不況のなか、そのうち日本を含む東アジアが共通通貨に動きだす日が来るのかもしれない。


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