遺伝子組み換え作物を牽引する

巨大企業モンサント社の知られざる影響力とは?

2009.01.29 THU



写真提供/AFLO
GMOという言葉がある。豆腐などの原材料表示には「遺伝子組み換えでない」「GMOでない」と書かれていることが多いが、GMOとは遺伝子組み換え作物のこと。その種子の世界シェア9割という巨大企業が、アメリカに本拠地を置くモンサント社だ。

同社の報道資料などによれば、現在の主力GMOは害虫抵抗性作物と除草剤耐性作物。大豆、トウモロコシ、綿、ナタネなど従来の作物に、殺虫タンパク質を作り出したり、特定の除草剤に耐性を持たせたりする遺伝子を組み込むことにより、コストや労力の削減、収穫量の増大などの効果が期待できるとされる。

そんなモノ食べても大丈夫なの? と反射的に考えてしまうが、環境汚染物質の動態などを専門とするある研究者は「むしろ従来の交配種などより安全で安定的に供給可能というGMOも存在する。しかし数万年にもわたるヒトの食の歴史の中で実証されてきた安全性と完全に同等とは見なしえないことも確か。遺伝子組み換えへの感情的な反発より、多世代間での複合的な影響の有無を冷静に評価していくしかないのでは」との意見だった。

注目されているのはそのビジネスモデルだ。モンサント社は世界で50以上の種子会社を買収する一方、開発したGMO種子の特許を保持し、農家は種子を買って生産しても、作物から種子を採ることが許されない。農地にGMOが自生してしまった場合でも契約違反を訴えるなど、知的財産保護が過剰では、という指摘もある。実際、カリフォルニア州では昨年、特許権侵害などについて企業による一方的な立証を制限し、生産者を保護する法律が発効しているほどだ。

世界が金融不況に揺れるさなか、今年に入って発表されたモンサント社の09年度第1四半期(08年9月~11月)の純売上および純利益は、過去最高を記録。また、昨年末の『BusinessWeek』誌では、この1年で世界に最も影響力のあった10社のひとつに同社を挙げている。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト