給料も減るらしいけど…

ワークシェアリングで本当に雇用問題は解決するのか?

2009.02.05 THU



写真提供/時事通信社
今春闘で、焦点のひとつに浮上した雇用問題。なかでも、日本経団連の御手洗冨士夫会長が、「ひとつの選択肢」と発言してクローズアップされたのが、ワークシェアリングだ。これは、文字通り、仕事を分かち合うこと。1人あたりの労働時間が短縮されることが前提にあるという。では、働く時間が短くなると、その分賃金も減るのだろうか? 厚生労働省労働政策担当参事官室に聞いた。

「今回、脚光を浴びている雇用維持型の場合、賃金の減額は避けられないでしょう」

厚労省によると、ワークシェアリングは、下表の通り4つに分類できる。このうち、御手洗氏が示唆したのは、雇用維持型(緊急避難型)。これは、経済危機を乗り切るための一時的な対策で、正社員の雇用を維持しつつ労働時間を減らし、賃金も一部カットする。いわば、景気回復までガマンしようという守りの避難策だという。

一方、新たな雇用を拡大する攻めのワークシェアリングが、雇用創出型や多様就業対応型。ただし、この場合も、雇用人員を増加するには、正社員の労働時間だけでなく、賃金も減らさなければ成り立たない可能性が高い。ワークシェアリングが浸透しないといわれる最大の理由はココ。労働者側の賃金カットに対する抵抗感だ。

「それ以外にも、ワークシェアリングは性質上、工場の生産ラインなど定型的な業務の職種には適しますが、商品企画やデザインなど創造的な職種では仕事をシェアしづらいなど職種の壁も指摘されています」(同)

世界的に見ると、ワークシェアリングの成功例の代表はオランダだ。失業率は11.9%から2.7%に低下した実績があるが、これは、政労使が一体となり、約20年もかけて行った努力の証し。同一労働・同一賃金の考えのもと、年功や経験、正規雇用や非正規雇用などの賃金格差の撤廃に努め、国を挙げて取り組んだ成果だという。果たして日本は、ここまで抜本的な対策ができるのか、する必要があるのかなど、まだまだ議論の余地がありそうだ。


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