あわよくば出世する技術

第6回 デキそうな人に見える会話術とは?

2009.02.13 FRI

あわよくば出世する技術


「仕事がデキそうな人は、声の大きさや高低、スピードを自由自在に操っています。決して棒読みになったり、ボソボソ話したりはしません」と山本さん。話題に合わせた口調や表情を心がけるために、場の空気をしっかり読むことは必須だ

いかにもデキそうに思わせる話し方のヒケツとは?



不思議なもので、初対面からほんの数分、まだ名刺交換くらいしかしていないのに、いかにも仕事がデキそうな雰囲気を漂わせているビジネスマンというのは存在する。

このデキそうな感じ、要因は一体どこにあるのだろう。顔? それとも身だしなみ? あるいは名刺の渡し方??

「仕事の実力は同等でも、評価される人と評価されない人がいますよね。それは、普段の話し方で仕事の実力まで評価されてしまうことがあるからです。ビジネスシーンでは、デキそうな人の話には耳を傾けても、デキなそうな人の話は誰も相手にしないということはあり得ます」

そう解説するのは、元アナウンサーで現在は「話し方.net」を主宰する山本光洋さんだ。デキそうに話せる人は人間関係を上手に築けるため、のちのち出世にもつなげやすいのだと山本さんは解説する。では、一口に言ってデキそうな話し方とは?

「相手がつい耳を傾けたくなる良い話し方とは、テンポにメリハリがあり、発音が明瞭で滑舌が良いこと。また、話す際の表情や振る舞いによっても印象はまるで変わります。楽しい話ならうれしそうな表情を、衝撃的な話ならびっくりした顔を心がけるだけで、人は『聞いてみたい!』と会話に引き込まれてしまうものです」(山本さん)

ところで、「ヤバい」「ていうか」などの、いかにも現代っ子な語り口は、やはりビジネスマンには禁物ですよね?

「若者の言葉を不快に感じる人がいるのは事実ですが、『今の若いやつらは』とはいつの時代も言われ続けてきたこと。世代が変われば文化や価値観が異なるのも当然ですから、相手を選んで使えば私はあまり気にしなくていいと思います。話し上手な人は、正しい日本語にこだわるのではなく、臨機応変に緩急使い分けています。ここぞという時に敬語でバシッと決め、場の空気によっては先輩相手にでもタメ口を交えて相手と打ち解けることだってできますから」(同)

なるほど。マナーと節度さえ守っていれば、砕けた若者言葉も表現手法のバリエーションとして、立派な武器にもなるわけだ。

ちなみに、相手に質問をする場合でも、なんだかデキそうな聞き方があるという。

「相手に対して鋭い質問をガンガン連発するのでは、単なる尋問になってしまいます。質問とは、相手の意見や求めるものを知ろうとする行為ですから、本音に迫るためにはそれなりの順序というものがあります。軽めの話題から始めて、少しずつ相手の現状を理解していけば、踏み込んだ本音の部分も聞きやすくなるはずですよ」

こうした会話のヒケツは、会議でも世間話でも、日常の随所で応用できるはず。さっそく、まずは話す時の自分の表情からでも、少し気を付けてみてはいかがだろうか。
会議やプレゼンの場で、“積極的に参加している感”を醸すことは重要。あいづちや身振りで、相手を気持ちよくしゃべらせることが大切なのだ。「視線も合わせず心は上の空…では相手を怒らせるかもしれません」(山本さん)

聞き上手への第一歩は「無条件に共感する」こと



「最近の若いやつらは、人の話を聞く態度がなっていない」

そんな苦言を、某上場企業で管理職に就いている知人が口にしていた。なんだか、小学校の朝礼で教頭先生にガミガミ言われていた時代を思い出すが、 人の話を聞くというのもなかなか難しいことなのかもしれない。

ビジネスマンたるもの、話し上手であれば仕事がデキそうに見えて何かとお得だが、それ以上に聞き上手であるのも大切だ。何より、話を聞いているだけで相手に好印象を与えることができるなら、これほど楽なことはない。

というわけで、聞き上手になるためのコツを専門家に伺ってみよう。

「人の話を100%聞くのはとても難しいことです。興味のない相手や関心のない話題であればなおさらです。まず、相手の話をさえぎることなく最後まできちんと聞くことが第一。聞き方も、自分が話す時と同じくらい表情を豊かにし、ちゃんと相手の視線をとらえることが大切です」(元アナウンサーで「話し方.net」主宰の山本光洋さん)

しかし口で言うのは簡単でも、上司のつまらない話に付き合うのはけっこう大変。あくびを噛み殺したのがバレようものなら、それこそ出世の道なんて閉ざされてしまうかも!

「一番のコツは、相手の話に無条件に共感すること。これはつまり、相手の喜怒哀楽の感情を一緒に共有しながら聞くことです」(山本さん)

たとえば、相手が何かトラブルに巻き込まれた話をしているなら、他人事ではなく自分もその立場で困っている状況を想像しながら話を聞こう。すると、ついついこちらの表情までつられて曇ってくるから、相手にしてみれば共感してくれている手応えを感じ、いっそう気持ち良く話せるようになるはずだ。



「人は自分の話をきちんと聞いてくれる相手に好感を持ちます。そのために、あいづちや頷きなどのリアクションも聞き上手の大切な条件です。聞いているよという合図を送ることで、相手は安心して話し続けることができ、話し終えた後も満足感が生まれます」(同)

あいづちにも、あらかじめバリエーションを用意しておきたい。常に「はい、はい」ばかり連発していては、そのうち相手も気分を害するかもしれない。

「はい、ええ、ほう、そう、はあ、そうですか、なるほど、大変でしたね、ホントですか、それは面白い、いい話ですね、それから? などなど、好きな音楽を聴いている時のように、自然体でリズムをとれるようにしたいですね」

会議などで、よく聞けばたいした発言をしていないのに、なんだか妙に会議に参加している感を漂わせている人というのが、皆さんの身近にもきっといるだろう。彼らのあいづちを、一度じっくり観察してほしい。あいづちのバリエーションが豊富であったり、発言者に共感するようなコメントを適宜発していたり、そこには何らかのヒケツが隠されているはずだ。 ちょっとした話し方のアレンジでイメージアップにつながるなら、これほど楽なことはありません。

今回ご協力いただいた山本さんは、話し上手な人とは総じて「場の空気を読むのが上手な人」と断言しています。そして、そうした空気を読む力を磨くには、人との出会いを大切にし、誰かに挨拶したり話しかけるチャンスを逃さないこと、だとも。

この際、合コンでも異業種交流会でも何でもいいでしょう。デキる話し方を意識して新たな交流の場で実践してみるというのは、公私ともに有意義かもしれませんね。

当連載では、引き続きお便り大募集中! 皆さんにとって、話していて好感を持てる人物とはどんなタイプでしょう。あるいは逆に、無条件に好感度の低い人って?

日ごろの体験をぜひ教えてください。

あわよくば出世する技術の記事一覧はこちら

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト