ネットで直接取引できるのに…

日本には欠かせない流通方式?「卸売市場」は何のためにある?

2009.02.19 THU



写真提供/アフロ
最近、イオンやイトーヨーカ堂などの大手スーパーが農家との直接取引を拡大するというニュースが流れた。それに対して卸売業者は反対しているという。消費者の立場で見ると、直接取引の方が新鮮なものが手に入りそうだし、流通コストが抑えられる分、安い値段で商品を買えそうな印象も。じゃあ、卸売市場って何のためにあるの? 財団法人流通経済研究所研究員の横井のり枝さんに聞いてみた。

「卸売市場とは、たくさんの種類の生鮮食品を生産業者から集め、セリ、もしくは1対1の取引で値段を決めて小売業者に売り渡す場所。一般的にモノの売買取引では、代金不払いリスクを売り手側が負うことになりがちですが、卸売市場では、即日払い、代払い制度の取り決めがあるため、代金の回収が確実にできるんです」

へえ~。やっぱりないと困るんですか?

「日本の小売業は、欧米に比べて各業者の規模が小さくて数が多いんです。そのうえ、一般的なスーパーはおよそ1万から2万品目の品揃えが必要。そんな数の品を各業者が個別に仕入れようとしたら大変な労力が必要になりますが、卸売市場ならまとめて仕入れることができる。売り手も多数の小規模な小売業者に幅広く商品を供給することができるんです」(同)

卸売市場は小規模な小売業が多い日本では欠かせない流通システムなんですね! では、今なぜ直接取引が注目されているんですか?

「生産者からすると、卸売市場では必ず品物を売ってもらえる利点があるのですが、マージンがかかったり、自分たちで値段がつけられないため、消費者とじかに取引ができるインターネットなどを使って直接取引を始めたのかもしれません。ただし、日本の小売業の場合、生鮮食品は豊富な種類が求められるので、いくつかの農家と契約しただけでは、必要な品を揃えきれないということもあり、卸売市場に頼っているのが現状です」(同)

それぞれの良さを生かせる流通システムを考える時期なのかもしれませんね。


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