コマーシャル・ペーパーってどんな紙?

「日銀のCP買い取り」はなにがそんなに異例なの?

2009.03.05 THU



イラスト:牧野良幸
1月末に日本銀行が発表したコマーシャル・ペーパー(CP)の買い取り。やたらと話題になってるけど、TVのこちら側では「何、その紙?」状態。経済評論家の平野和之さん、いったい何がそんなにスゴイんですか?

「日銀のCP買い取りが、異例中の異例だからです。CPとは、短期的な運転資金を調達するために、一部の優良企業のみが発行できる無担保・低金利の約束手形。通常は、都市銀行などの金融機関が買い取ります」

えっと、そもそも日銀のCP買い取りが異例なのはどうしてなんでしょうか?

「日銀の主な役割は、通貨流通量のコントロール、金融システムのコントロール、紙幣発行の3つ。その目的は国内経済の安定化であって、利益を得ることではない。つまり、日銀が金利のついているCPを買い取るのは、本来の目的とずれてしまうのです」(同)

利潤追求が目的ではない日銀の無利子口座は、政府と金融機関しか持てない。また、貸し出しも金融機関の運営資金調達が目的の場合のみ行われ、それゆえ日銀は『銀行の銀行』とも呼ばれるのだとか。さらに金融機関は、日銀から借りたお金を扱うことで信用を高めることもできるわけだ。では今回、なぜ日銀のCP買い取りなんてことに?

「大不況の影響で、金融機関がCPの買い取りに及び腰になったからです。今や、大企業でも倒産しない保証はない。結果、優良企業でも以前より金利を上げなければCPを発行することができなくなりました。すると、企業としては融資を受けて資金調達をした方が低金利で済むため、これまでCPで資金調達していた企業も融資に流れる。しかし、銀行が融資に回せる金額には限度がありますから、今まで融資に頼っていた中小企業に貸し渋りというしわ寄せが行く。日銀はそれを懸念したのです」(同)

企業の97%が中小企業といわれる日本。実はCP買い取りって、他人事じゃなかったんですね。不況、怖ぇ! マジで倒産する5秒前(MT5)なんて言葉が流行しませんように。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト