自国の産業を守って何が悪い?

最近よく聞く「保護主義」のメリット&デメリット

2009.03.12 THU



写真提供/時事通信社
世界的な経済危機を受けて、各国が保護主義に傾倒しつつある。簡単に説明をすると、自国の製品・産業を他国製の安価な輸入品などから保護するのが保護主義。輸入品にかける関税の引き上げなどが主な保護手段だが、それ以外にも様々な保護が存在するらしい。愛知学院大学商学部の片山誠一教授によると「自国の産業に補助金を出したり、公的資金を注入したり、内需拡大を推し進めるのも場合によっては保護主義になります」とのこと。この保護主義、良くないこととして報道されているがなぜだろう。

「経済学の基本に『自由な経済活動は、生産効率を上げる』という理論があります。保護主義は自由な経済活動を抑制するもの。競争相手が少なくなるので、生産効率の低下や改善向上の遅れにつながります」

保護主義で主に利益を得るのは、資金を注入されたり、海外の競合との価格競争にさらされずに済む生産者サイド。消費者には、安くて良いものが入手できなくなるなどのデメリットもある。

「長期的視点では、保護主義で得る利益より、不利益の方が大きいでしょう。各国が互いに報復的な保護政策をとった場合、生産効率の低下や貿易量の縮小で世界全体の所得水準が下がり、失業者も増えると思います」

それなのに各国が保護主義に傾倒するのにはどういった理由があるのか?

「政治の論理だと思います。最近では雇用の確保など、経済状況を一時的にでも回復して国民にアピールするために保護主義に走る傾向も見受けられます」

また、これまでの自由主義経済にも問題があり、それが反発を招いたともいえる。

「自由主義経済のデメリットの一つは格差問題。個人間にも国家間にもどうしても所得格差が生まれます。その反省から規制を強めるべきという流れが生まれたのでしょう。自由主義と保護主義が少しずつ相互に錯綜しながら発展していくのだと思います」

世界経済の流れは各国の保護政策から見えてくるかもしれない。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト