08年は30年ぶりの減少

上場企業が減ったら世の中とボクらは何が困る?

2009.03.12 THU



写真提供/時事通信社
国内の上場企業の数が、08年は30年ぶりに減少に転じた。1年間で73社減って3869社。背景にあるのは、「上場廃止の増加」と「新規上場の急減」。前者の主因は倒産の急増だが、業界再編による企業統合やグループ内の事業再編による上場廃止も目立った。一方、後者の新規上場数は49社。07年の121社から6割も減ってしまった。

上場が会社にとってどんなメリットがあるのか、あるいはデメリットがあるのかはよく語られることだが、では世の中は、上場企業が減るとどう困るのだろう。

そもそも会社の上場は、株式を公開することで公に開かれた存在になることを意味する。広く大多数の株主に出資を受けるということは、社会的に認められた存在になるということだ。だからこそ、上場にあたっては厳しい審査がある。上場できたということは、それだけで社会の厳しいチェックにさらされたということ。そして上場後も情報開示が義務づけられる。

つまり、上場会社は相当に信頼できる会社、なのだ。だからこそ人々は株を買って出資を行い、企業は大規模な事業を展開できる。また、信用力で多くの人材を集めて雇用する。もし上場企業が減ってしまったら、社会に対して開かれた会社が減ることを意味する。それは、社会にとって明らかに好ましいことではないだろう。

一方、上場会社が上場する証券取引所は、投資家にとって資金運用の場でもある。魅力的な上場会社が多いほど、取扱い銘柄、つまり品揃えが多いことになり、取引所の取引は活発化する。逆に、上場会社が減れば取引数も落ち込みやすくなり、取引所の魅力も下がる。これでは国内からも海外からも資金は集まらず、株価も上がりにくい。

資金の運用など、株をやらない自分には関係ない、と思う人もいるかもしれないが、年金をはじめ、普通の個人に関わるたくさんの資金が実は株式市場で運用されている。その運用に悪影響が及ぶかもしれないのだから他人事ではない、のである。


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