もしも勤務先が倒産したら…

その違いを知っておきたい会社更生法と民事再生法

2009.03.12 THU



写真提供/時事通信社
会社更生法と民事再生法。世界的な不況で企業倒産が増えている昨今、特に目にする機会が増えた言葉だ。いずれも事業継続が可能と判断されたうえで適用されるのだが、厳密にはどう違うのか。ときわ法律事務所代表パートナーで多くの会社の申立代理人を務めた経験をもつ綾克己弁護士に聞いてみた。

「まず経営権。会社更生法では経営陣は責任を取って退陣して、裁判所が選任する管財人が経営権などを持つのが原則。民事再生法では、原則として経営陣の退陣は必要ありません。次に担保権。会社更生法では債権者による債権回収など担保権の実行が制約されるのに対し、民事再生法の場合は、原則として制限はありません。そして手続期間。会社更生法は手続きが厳格で、申立から認可決定までに1年数カ月かかります。対して、民事再生法は5カ月程度です」

上記の理由から、会社更生法は社会に与える影響の大きい大規模な会社、民事再生法は中小規模の会社を前提にしていたとのことだが、最近では、手続きの違いがほとんどなくなってきているのだとか。

「本来、経営陣が経営権を失う会社更生法でも、DIP型という手続きを使えば、予想できない世界的な不況など経営陣に責任のない場合は経営権を失いません。また、手続きにかかる期間を数カ月まで短縮できた事案も出てきています。ですから、各会社の実情により使い分けていて、民事再生法を選択する大企業も増えています」

ちなみに、自分の勤務先が手続きを申請したら、ボクら社員はどうなるのですか?

「業績が悪ければ、給料の一部やボーナスのカット、人員整理もありえますが、これは倒産していない会社も同じ。基本的には会社再建が目的なので、従業員の立場は変わりません。むしろ、士気を下げないために、あからさまな待遇悪化は少ないですね」

不況の嵐が吹き荒れるこのご時世、万が一、自分の会社が会社更生法や民事再生法を申請しても、慌てないように、違いを知っておくのもいいかもしれません。


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