日本はすでに経験済みだった!?

金融機関が国有化される理由って?

2009.04.09 THU



写真提供/時事通信社
リーマンショック後、世界中で「銀行国有化」が加速している。国家財政破たんまでがささやかれたアイスランドは早々と全銀行を国有化。ドイツでは、銀行国有化法案が作られ、イギリスでもロイヤル・バンク・オブ・スコットランドやロイズなどの大手銀行が実質国有化に。アメリカでも、政府が最大手シティグループの筆頭株主になり、実質的に政府の管理下に入ったとされる。だが、経済危機で苦しむ企業は多数あるのに、なぜ金融機関は国有化で破たんを免れるのか。

一言でいえば、金融機関が破たんすると他業種に比べて経済へのダメージが大きいからだ。預金者、国内外の融資先企業、お金をやりとりしている他の金融機関。銀行が関わる個人や法人は膨大な数で、破たんの影響は計り知れない。預金者が殺到する取り付け騒ぎや資金を融通できなかった企業がもたらす連鎖倒産など、社会的なパニックすら引き起こす可能性がある。

銀行の経営が揺らぐと、経済の血液といわれるお金の流れが悪くなる。例えば、企業向け融資が止まれば、経営悪化の企業が増えかねない。これが続けばそれまでに融資されたお金の返済も困難になり、銀行にとっては不良債権化してしまう。これが銀行の業績を悪化させ、ますます融資が減る。こうして社会全体のお金の流れが滞ると、銀行自身の資金調達が難しくなり、経済は悪化、さらには縮小してしまうわけだ。

銀行国有化の目的は、この悪い連鎖を断ち切ること。国がお金を投入、銀行の資金にゆとりをもたせて、お金を貸しやすくする。業績を悪化させている要因、例えば不良債権の処理を加速させ、経営不安を払拭する。預金者を安心させ、銀行からの資金流出を防ぐ。つまり国有化が目指すのは、金融の流れを正常化させることだ。

これだけ世界で国有化が騒がれる中で、意外に日本が平静なのは、ちょっと前に国有化を経験済みだからか。国有化をきっかけに経済が反転、景気回復を果たした実績を、実は日本は持っているのだ。


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