秋にスイスのチョコが安くなるとか…

ところで関税は何のためにあるの?

2009.04.09 THU



写真提供/AFLO
スイス製のチョコやチーズが今秋あたりから安くなるのだそうだ。理由は、スイスとの間で2月に結ばれた経済連携協定に、貿易額の99%以上にあたる品目の関税を10年以内に撤廃することが盛り込まれたから。スイスも自動車など一部の関税などを即時撤廃するが、日本も引き下げる。例えばチョコレートにかかる10%の関税は8%に引き下げられ、高級ナチュラルチーズも約30%の関税を段階的に約15%に引き下げ。日本がチョコレートやチーズの関税を引き下げるのは初めてだそうで、結果的にチョコやチーズの値段が下がる、ということだ。

そもそもこの関税とは何か。外国から輸入する貨物に課せられる税金。どうしてこんなものがあるのかといえば、目的は2つ。まずは、国家としての税収を上げること。とりわけ発展途上にある国にとっては、関税は貴重な税の獲得手段なのだ。一方で、輸出を拡大させたい国は、関税を払ってでも海外市場に参入したい、と考える。

そしてもうひとつの関税の目的が、国内産業の保護。海外からの輸入品に高い関税をかけることで、安い輸入品との競争にさらされる国内産業が衰退しないよう守るわけだ。しかし、世界中の国がみんなで高関税をかけたら貿易は拡大しない。そこで自由貿易体制の構築のために生まれたのがGATT(関税と貿易に関する一般協定)やWTO(世界貿易機関)。輸出入制限の撤廃や関税の引き下げを目指そう、と考えた。日本もこうした動きに賛同、実は意外にもかなりの関税が撤廃されている。

例えば、時計、楽器、ヨット、美術品、新聞や雑誌、鉄くず、木材、写真用紙、医療用品、肥料などすべて無税だ。だが、その一方で高関税のものも。その多くが農産物や食料品である。輸入品が安くなるのは消費者としてはありがたいが、国内産業への深刻な影響はそれはそれで心配。理想は、国際市場で戦える競争力を全産業が付けることではあるが。関税とは、なかなか悩ましい仕組み、なのである。


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