キミの会社の給与体系はどっち?

「職務給」vs「職能給」その違いとメリットとは?

2009.04.16 THU



図版制作/坂従智彦(PEACE DESIGN STUDIO)
今年の春闘で目立ったのが「賃金改善要求に対してはゼロ回答だったが、定期昇給は維持」というフレーズ。「定期昇給」とは、勤続年数や年齢などに応じて上昇する賃金のこと。いわゆる「年功序列」的な仕組みだ。この年功序列、実は世界でも日本にしかない独自の賃金システムだということをご存じだろうか。人事コンサルタントの城繁幸氏が解説する。

「日本の給与制度は、一般に『職能給』と呼ばれています。文字通り、その人の仕事の能力に応じて給料が支払われるのですが、勤続年数が長ければ、それだけ能力も高まるという前提のもと、実質的には年齢給になっています。一方、日本以外のほとんどの国で採用されているのが、仕事の内容に応じてお給料が決まる『職務給』。たとえばコンビニの時給は、同一地域ならどこも同じですよね。いわゆる非正規雇用の賃金システムがこれにあたります」

それぞれ、どんなメリットがあるのか。

「職能給では基本的に長く勤めるほど賃金が上がるわけですから、会社を辞めようとする人が少なくなり、結果、技術が高い水準で蓄積されます。日本の製造業が戦後、一貫して成長し続けたのも職能給のシステムがうまく機能したからだともいわれています。一方、職務給では他社からより高い給料を提示されれば、そちらに移るのが当たり前。会社と社員はドライで対等な関係です。そのため労働者が権利を主張しやすいという面があります。たとえば有給休暇の取得日数は、日本は先進国で最低水準。他の先進国の取得率はどこも9割程度ですが、日本は5割ぐらいに過ぎません」

だが、日本の職能給は曲がり角を迎えている。給料を毎年自動的に上げるシステムは、経済が右肩上がりで成長していくことが前提にあった。ところが、高度成長の終わった近年はそれも難しくなり、代わりに非正規雇用が増えるようになった。職能給にこだわっていては企業の存続自体が危うい。良し悪しはともかく、日本的雇用システムは変革を迫られている。


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