日本企業も進出を目指し、本格参入

100兆円の市場を争奪する世界の「水メジャー」って何者?

2009.04.23 THU



写真提供/AFLO
「湯水のように○○」という言葉があるように、日本は水資源に恵まれた国である。しかし世界の事情は全く違う。世界人口65億人のうち20億人もが水不足で困っているという。

「世界にはこのような人たちに向けて上下水道の施設・運営を提供する民間の企業がたくさんあります」と教えてくれたのは日立プラントテクノロジーの伊藤真実氏。

水不足地域で汚水浄化施設の建設や、各家庭への飲み水の供給。さらに、使用料の集金までをやるのが、いわゆる水ビジネス。このような事業は日本を含め、世界的にも国・自治体が担ってきた。が、近年では民間に開放することで競争を促進し、事業の効率化が進んでいるという。古代ローマ時代から水道事業に取り組んできた欧州は意識が高く、特にフランスは1853年にリヨン市の水道事業が民間委託された。

「今でも水メジャーといわれる企業のトップ2はフランスの会社です。事業規模1位のスエズは年間1.8兆円、2位のヴェオリアは1.6兆円を売り上げています」(同)

さらにオーストラリアのテムズウォーターが3位で、これが3大水メジャーだ。ヴェオリアは1850年代に創業した老舗で世界の1億人以上に水を供給しているという。

2025年には100兆円規模に成長するともいわれる世界の水ビジネス。そんな巨大市場に、日本の企業群がトライすることになった。この1月、日立プラントテクノロジーや東レ、鹿島建設など、そうそうたる企業が集まって「海外水循環システム協議会」を立ち上げたのだ。これまでも日本企業による海外での水ビジネス展開がなかったわけではないが、処理機器を提供するだけのビジネスが主だった。今後は水の浄化から上下水道の設備、使用料の徴収までを視野に入れたビジネスになるという。ナノテクを利用した海水の淡水化や排水の浄化など、日本の技術は世界トップクラスだ。

スタート間もない日本勢が世界の水ビジネスにどこまで食い込めるのか、今後の展開が楽しみな分野である。


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