新社会人諸君、失敗から学べ!

第5回 「最近の若者はなっとらん!」のか?

2009.05.18 MON

新社会人諸君、失敗から学べ!


イラスト/コットンズ 自主的に、積極的に動くのはいいけれど、あくまで先輩の仕事の邪魔にならないように気をつけないと…。特に、書類の管理・作成は評価される点かもしれませんね

上司、先輩、会社が抱く新社会人への期待とは?



『最近の若者は』とは、いつの時代もよく使われる決まり文句。

社会に出たばかりの新社会人ともなれば、ことさらこのセリフを聞く機会が多いのでは? とはいえ、上司や先輩たちは悪いイメージばかりを抱いているわけではないはず。叱咤・激励は、期待の裏返しかもしれませんからね。

上司や先輩たちは新社会人にどのような期待を持っているのでしょうか? 幹部・管理職クラスの社員を中心に人材教育を行っている上村光弼さんに聞いてみました。

「新入社員は未来を見据えて植える苗木。いまの時代では成し得ることのできない、新しいビジネスを生む卵です。会社に新鮮な風を吹き込み、組織を活性化させることが新卒採用の目的ですから」(上村さん)

しかし、この不景気の時代。新入社員に求められることに変化はあるのでしょうか?

「これまでは、上司や先輩にも手取り足取り教える時間がありました。しかし、今の状況では上司や先輩たちも自分たちの仕事に手が一杯で、教育にまで手がまわらないのが現実のようです。新入社員には『自分から動き、考え、行動できる』かどうかが、より重要視されるようになりました」(同)

つまり、新入社員から進んで『自主的』に『主体的』に、上司や先輩とコミュニケーションをとらなければいけない、と。でも、どうすれば?

「『観察力』『仮説力』『質問力』を高め、『自分がいま会社やチーム、上司のためにできること』を考えましょう。『何に困っているんだろう?』と上司や先輩を観察し、そこから『○○に困っているのか、自分ならこんなお手伝いができるから、喜ばれるのでは?』と、自分なりの結論を出す。つまり、『仮説力』を身に付けることが大切なのです」

なるほど、周りを観察することで自分のやるべきことが見えてくるんですね。上村さんによると、『観察力』にはもうひとつの効果があるそうです。仮説力を身につけることで、例えば書類を作る場合、上司や先輩はスピードを求めているのか、見やすさを求めているのかを見極めることができ、仕事の精度が上がるんだとか。

「とはいえ、自分で考えた『困っていること』『お手伝い』は、相手が望んでいることとは限りません。それを確かめるのが『質問力』です。『もし、そのお仕事に○○のお手伝いが必要でしたら、私にやらせていただけませんか?』と確認しましょう。ここで重要なのは、質問には自分の考えを沿えること。相手は質問の意図を理解しやすくなります。質問を前向きな姿勢と解釈してもらえるのは新社会人の特権。わからないことはどんどん質問しましょう」

でも、相手の求めていることを察するのって、なかなか難しい。上村さんによると、日ごろから何に対しても自分なりの仮説を立ててみるトレーニングが効果的だとか。また、上司と新人のすれ違いで一番多いパターンも教えてくれました。

「『もっと顧客視点を取り入れた方が』というふうに、分析や評論ばかりにまわってしまう人は要注意。もちろん、若者視点の意見は会社としても重要です。しかし、それは上司や先輩との信頼関係を結んでからの話。指示されたことができない人に何かを言われても、説得力がありませんよね。まずは自分の目の前のこと忠実にこなし、周囲からの信頼を得て初めて、自分の意見や主張を聞き入れてもらえるようになるのです」

『仮説力』『質問力』『観察力』。この3つの力と『信頼の獲得』が、新社会人には大切なのですね。
撮影/片桐 圭 【藤巻幸夫:プロフィール】 1960年生まれ、上智大学を卒業後、伊勢丹に入社。カリスマバイヤーとして活躍し、退社後は福助社長などを歴任。現在はフジマキジャパンの副社長や藤巻兄弟社社長を務め、西麻布のシャツとトートバッグの店「CRUM」のプロデュースも行う。近著に『藤巻流 実践・巻きこみ術』(講談社)なども

新人時代をどう過ごせばデキる社会人になれるの?



新社会人はどんなふうに仕事に臨めばいいんだろう? 第一線で活躍するビジネスパーソンの新人時代の話を聞けば、何かわかるかも!

そこで今回は、伊勢丹でカリスマバイヤーとして活躍し、独立後もファッション業界で広くその名を轟かせる藤巻幸夫さんを訪ねました。藤巻さんは今年2月、「旅」と「日本のワザ」と「デザイン」をキーワードにした「Rails藤巻商店」をエキュート品川に出店するなど、様々なプロジェクトをアグレッシブに仕掛けています。やはり、新人時代から仕事がデキるタイプだったのでしょうか?

「僕の新人時代なんて失敗だらけでしたよ。売り場を走り回ってお客さんにぶつかったり、呼び込み禁止の規則を破って大声で呼び込みして怒られたり。新人時代なんて、何も貢献できないじゃないですか。だから会社を明るくするにはどうすればいいのかを毎日考えていました。新人のバイヤーとして、初めて仕事をしていたころは大変だったね。婦人服売り場でブラウス5色を同じ配分で仕入れたら、売れるのは白ばっかり、他の色はそこそこ、ブラウンは大量に売れ残ったなんてこともあったんですよ」

えっ、カリスマバイヤーといわれた藤巻さんにもそんな過去が。

「『次からは白を多めに、ブラウンはやめて他の色を発注しよう』って、モノの売り方を学ぶことができた。本気で挑戦すれば、失敗しても学ぶことが必ずあるし、周りも許してくれるはず。ただ失敗を繰り返してはいけません。まずは自分ができること、言われたことに本気で取り組む。何事も吸収しようとする前向きな姿勢で、とにかくがむしゃらに、ね。その姿を見て評価してくれる上司は必ずいますから。そうすればかわいがってもらえるし、大抜擢だってあり得る。うまいもんもおごってもらえるだろうし(笑)」

新人はとにかく本気で仕事に取り組み、がむしゃらに頑張ることが大事なんですね。
撮影/片桐 圭 最初から最後までパワフルに話してくれた藤巻さん。ここには書き切れない本音トーク(!)満載の取材となり、取材中はズバズバとはっきりモノを言うその姿勢に圧倒されっぱなしでした! その“破天荒”な雰囲気は、何事にも「本気」を出しているからこそあふれ出ているのかも!?
「でもね、大きな志は必要ですよ。僕も『バイヤーになりたい』『歴史に残るような売り場を作りたい』『パリコレを見に行きたい』など、大きな未来像を漠然と思い描いてました。大きな志を持てば、実現するためにしなければいけないことが見えてくる。どんどん挑戦して、体で覚えた貴重な経験を吸収していけば、いつの間にかその夢が実現しているんじゃないかな」

さらに、藤巻さんいわく、社内に憧れの存在を作ることも大事なのだとか。

「先輩でも会社の社長でもいい。『この人だっ!』って人にとことんついていく。自分には何が足りないのか、絶好のモデルになるから。でも、嫌な上司しかいないケースもあるよね。そうしたら、『そんな人でもひとつやふたつ、いいところがあるだろうから、そこを吸収して追い抜いてやろう』と思えばいいし、反面教師にするのもいい。要は考え方次第ですよ」

そして、藤巻さんが若いころから大切にしていることが『好奇心を持つこと』。映画でも、美術館でも、音楽でも、そこから学んだことが仕事に生きてくることがあるそうです。特に若者市場などに関係するなら、上司だって積極的に知りたいはず。また、そのような情報を日ごろから収集・発信していくことで、同じような趣味・趣向をもつ仲間も集まってくるんだとか。

では、最後に『最近の若者』にメッセージをお願いします!

「僕は『最近の若者』を大事にしたいと思ってるし、君たちが元気にならなきゃ日本も元気にならないと思ってる。どん欲に挑戦して、失敗して、そして学んでください。特に本を読んでほしいですね。読書は人間性を高め、ブレない軸を作ることができるから。あえて必読の書を一冊挙げるなら、処世や教育の心得を記した『言志四禄』。これは、江戸時代の儒学者・佐藤一斎が40年以上にわたって書いた人生の助言集です。もちろん、その内容は現代社会にも通じるものばかり。この本は指導者のためのバイブルといわれているけど、R22~R25世代にもぜひ読んでもらいたい。絶対にオススメです!」 さて、最終回の調査はいかがでしたか?

こんな不景気な時代だからこそ、
企業は新社会人のみなさんにも高いレベルを求めているようです。
それは期待の表れなのかもしれませんね。

どん欲に勉強すること
目の前のことに本気で取り組むこと
自ら考え動くこと

言うだけなら簡単ですが、なかなか難しいことかもしれません。しかし、あの藤巻さんでさえ、新人時代は失敗ばかりだったって
なんだかほっとする話じゃありませんか?

わからないことはどんどん質問する
前向きに挑戦して、失敗したら学ぶ!

新人ならではのこれらの特権を
思う存分、生かそうじゃありませんか!

最後になりましたが、これまで本レポートを
読んでくださったみなさん
投稿いただいたみなさん
本当にありがとうございました!

まだまだ投稿は受け付けているので、
ぜひ感想などを聞かせてくださいね!

では、新社会人のみなさんの未来に幸多からんことを!

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