同じ通貨なら便利そうなのに

どうして世界の国々は“共通通貨”を作らないの?

2009.05.21 THU



写真提供/時事通信社
アメリカ発の金融危機やドル弱体化などを受け、中国など一部の国がアジア共通通貨の創設を提案している。しかし、ここで小学生レベルの素朴な疑問が。そもそも、なぜ世界の通貨単位はバラバラなのか? EUが導入した「ユーロ」のような通貨をさらに推し進めて、世界共通通貨をつくればいいのに。通貨統合を研究する東洋大学経営学部の川崎健太郎准教授に可能性を聞いた。

「世界通貨が誕生すると、経済が退化する可能性があります。例えば、ドルはアメリカが保証をしているから価値があるわけで、アメリカの国力が衰退したり、政府が弱体化した場合、ドルの価値も下がります。そうなると、ドルで資産を持つ人は、より国力や政府がしっかりしている国の通貨へ両替して資産を守ろうと考えます。しかし、もし世界の通貨がドルで統一されていると、ドルの価値の下落は資産価値の下落といえます。結果、ドルは信用されなくなり、金や銀など実際に価値のあるものを信用するようになって、商取引も金や銀で行うことになりかねません。現在のような紙幣本位制度は崩壊して、太古へと戻ってしまうんです」

ならば、強力な力を持つ世界政府が、お金の価値を保証すれば世界通貨も可能?

「理論上は可能ですが、経済政策の問題があります。天災や戦争、不況などで景気が悪化した国を救済するため政策金利を下げると、景気のいい国では逆にバブルが起きてしまいます」

うーん、ではメリットはないのですか?

「為替リスクがなくなることは大きいです。通貨の種類が減れば、その分為替変動という不確定な要素も減るので、経済取引は飛躍的に伸びると思います」

為替リスクを抑えつつ貨幣制度も守るには、ユーロのような地域共通通貨が適当な規模なのだとか。実際、将来的にはドル、ユーロ、アジア共通通貨の3極体制を予想する識者も多いという。ぼくらがおじいちゃんになるころには、円以外のお金で買いものをしてるかもしれません。


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