中国の台頭で争奪戦が激化!

「油田の権益」獲得争いって何をしているの?

2009.10.15 THU



写真提供/Newscom/アフロ
久々に日の丸油田を獲得か、と報じられたのが、イラク南部にある大型油田「ナシリヤ油田」の開発権益。イラクは復興資金獲得のため、約40年ぶりに国内の油田・ガス田開発を外資に開放、入札を行っていた。日本勢は新日本石油ら3社連合で、イタリアの炭化水素公社、スペインの資源大手と権益獲得争いを繰り広げたという。この「権益」とは何か。石油もそうだが、金属など資源の開発には莫大な費用がかかる。そこで先進国の企業などが資源国の開発事業に加わり、その出資比率などに応じて産出された資源を引き取ったり、配当金を得たりする仕組みが生まれた。この仕組みに参加する権利が「権益」。日本を含めた先進国は、権益を求めて厳しい競争を繰り広げてきた。特に昨今、ドルを中心とした外貨の蓄積という資本力をひっさげて、中国の台頭が著しい。

こうした権益の入札によってどんなことが決まるのか。6月末に入札されたイラク・クウェート国境近くに位置する「ルメイラ油田」の情報がある。推定埋蔵量170億バレルとイラク最大のこの油田。落札したのは、石油メジャーの一角、イギリスのBPと中国石油天然ガス集団(ペトロチャイナ)の連合体。契約期間は20年間。鉱区取得費として5億ドル(約450億円)を支払うが、投資コストを回収した後は、1バレルあたり2ドルの報酬が得られる。1日の生産量110万バレルを285万バレルに引き上げ、毎日570万ドル(約5億円!)の収益が保証されることになるという。

これほどの利益だけに、熾烈な競争は当然。では、何が落札を左右するのか。入札額はさることながら、副次的な周辺支援も重要なポイントだ。冒頭の案件でも日本勢は、油田開発だけでなく製油所や発電所の整備、資金協力などもパッケージしていたとされる。そしてここで中国が強いのは、油田開発に必要な労働力を安価な人件費で輸出できること、なのだという。なるほど他にない切り札が中国にはあるのだ。イラクでの入札は、まだ今後も続く。


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