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バリスタ世界一が求める最高の一杯

2015.05.28 THU

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井崎英典 森カズシゲ=写真
豆の生産から始まるコーヒー作りのすべての過程をひとつの物語に仕立て上げ、最高の一杯に注ぎ込む─。井崎英典は昨年、このバリスタという職業で世界一の称号を手にした。国内大会への挑戦から足掛け7年。世界大会は2回目の出場での優勝だった。

「1回目は13位。準決勝に残れるトップ12まであと0・5点でした。コーヒーの粉が一粒落ちているかいないかくらいの差で負けた。神様が自分に何かを言っているんだろう…と思って再チャレンジしました」

世界大会では、エスプレッソとカプチーノ、オリジナルドリンクを15分以内に4杯ずつ淹れる。優勝するためには、そのすべてが“最高の一杯”でなくてはならない。

「それには、まず原材料である豆が大事。僕がいくら美味しく淹れようと思っても、豆の持つポテンシャル以上のものは出せませんから。さらに、焙煎からの日数やその日の気温、湿度…。星の数ほどあるポイントで正しい選択をし続けてはじめて、最高の一杯になるんです」

長年の目標を達した井崎は、現在“コーヒーのアンバサダー”として世界中を飛び回る毎日を過ごす。だが、そんななかでも最高の一杯への終わりなき旅は続く。

「最高の味は人によって変わります。だから、僕はお客様との会話を大事にしています。そして、お客様が話しながらいつの間にか飲んじゃって、『そういえば美味しかったね』と。そんなコーヒーをこれからも淹れ続けていきたいですね」

鼠入昌史(OfficeTi+)=取材・文

  • こだわり仕事道具

    コーヒーの濃度を測定する「総溶解固形分測定器」。いつも同じ味を出すためには、勘やセンスだけでなく科学的なアプローチも欠かせないのだ
  • 世界が認めた瞬間

    2014年6月、イタリアで開かれたワールドバリスタチャンピオンシップで見事優勝。嬉しさよりもプレッシャーから解放された安心感が強かったとか

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