COOL!JAPANESE

世界が認める和太鼓集団のエース

2015.06.25 THU

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坂本雅幸 大崎 聡=写真
自身よりも巨大な太鼓の正面に立ち、全身全霊のエネルギーで極太のバチを打ち込む。怒涛のリズムを奏でる腕は千切れんばかり、盛り上がる背筋は鬼の形相のようだ。

世界中で高い評価を受ける「太鼓芸能集団 鼓童」の若き中心的奏者・坂本雅幸の肉体は、舞台の上で生々しい“生命”の存在感を放つ。

「和太鼓は世界中で一番大きい音がでる打楽器。圧倒的な“楽器の力”を秘めているから、それに立ち向かうためには奏者の身体性がものすごく重要になります。音楽性だけでなく、フィジカル面も含めて心身を強く鍛えあげる必要があるんです」

少年時代からドラムに熱中していた坂本は、日本の伝統芸能を現代に再創造している「鼓童」の革新的な舞台に魅せられ、和太鼓のパワーに取り憑かれたという。

「世界のほかの打楽器は、細かい技術やメロディの面白さを追求する部分がある。でも、和太鼓は細かいことをやりすぎても心に響かない。空間を支配するほどのエネルギーがあるからこそ、“一発の説得力”が問われるんです。その音をどうやって出すか、追求し続けています」

和太鼓の文化を牽引する「鼓童」のエースという自覚ゆえに、その責任も強く感じているという。

「坂東玉三郎さんの演出が加わったこともあって、今は和太鼓の可能性を切り拓いていっている感覚があります。伝統を守ることは、革新の連続であるべきだと思う。そのうえで何をなしていくかが、自分に問われている役割だと思っています」

呉 琢磨=取材・文

  • こだわり仕事道具

    和太鼓の可能性を広げるべく坂本が発案・開発した「桶胴太鼓」。世界初の表と裏で異なる音程を響かせる太鼓で、演奏中にチューニングを調整できる
  • 世界が認めた瞬間

    毎年世界中をツアーで巡る「鼓童」。デビュー3年目にドイツの劇場「ベルリン・フィルハーモニー」で鳴り止まない拍手を浴びたことが、自信の源に

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