生意気な部下、年上部下のマネジメント…球団社長が語る

横浜DeNAベイスターズ社長「歴史を学ばないと仕事はできない」

2016.07.18 MON

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(撮影=森カズシゲ)
以前は大手商社や広告代理店でキャリアを積んだという異色の経歴の持ち主、「横浜DeNAベイスターズ」池田 純社長。多種多様な業種に携わってきた池田氏だけに、これまで様々な部下をマネジメントしてきたはず。そこで、キャリアやマネジメントについての持論を聞いてみた。

●結果を出しさえすれば、いくらでも自己主張していい


「自分はこんなに優秀なのに周囲が認めてくれない」、そうした悩みを抱えているビジネスパーソンも多いかもしれない。若さゆえにそうした感情が表に出てしまい、上司などから“扱いにくい存在”として煙たがられることもあるかもしれない。だが、池田氏は、「結果を出しさえすれば、いっぱい自己主張すればいいんじゃないですか。実力があるから結果を出せるわけですよね」。ただ、そう語るにはそれなりの背景がある。

「私が業界未経験ながら球団社長に立候補して任せてもらえたのも、言葉でアピールしたんじゃなくて結局はこれまでの実績を信頼してもらえたからです。そもそも『こんなことできるんです』とか『こういう想いがあるんです』って『言葉』でいくらアピールするよりも『実績』は多くを語ります。結果を出せばプライドが高くたって、ちょっとくらい不遜な態度をとったっていいと思いますよ。それを許容するのも上司の度量です」

裏を返せば、周囲をねじ伏せるほどの結果を出せていないのに不遜であれば、上司もただの“痛い存在”としか見てくれないということだろう。

「でも、どんなに結果を出していても少なくともお客さんにだけは謙虚であり続けてもらいたいですよね。上司はそこに評価の軸に置くべきです。社内では生意気でプライドが高くてもいいと思うんですけど、営業先とかお客さんにはそれは絶対に許されない。ベイスターズも経営面では結果を出せていますけど、試合に勝っていません。5年後もこのままお客さんが入り続けているかどうか分からない。それなのにこんなに多くのお客さんとファンを増やすことができた。だからこそ、もっともっと『お客さんに謙虚』でなくてはならないと思っています」

●「いま」だけ見てもマネジメントはできない…歴史に学べ


次に聞いたのは“年上の部下”のマネジメントについて。池田社長も球団経営に携わるようになってから、年上の部下を持つ機会も圧倒的に増えたようだ。

「65歳くらいまでたくさんの社員がいるので、特に体育会ですし、私が入った瞬間に『若いやつの下でやれるか』っていう人もいっぱいいましたね」という。では、そうした人のモチベーションをどのように上げてきたのだろうか。

「私は『本物の人格者なんていない』と思っているところがあるんです。自分自身も歪んでいる部分がいっぱいあるし。だけど、誰でも絶対長所があって、それが多いか少ないかの違いだと思うんです。年上で仕事の結果を出せない人でも絶対に優れた部分というのはあるので、そこを見つけて、きちんと結果を出せる仕事を任せる中で信頼関係をつくれるかどうか。それを大事にしています」

池田氏自身も年配の人から学んできたことも多く、積極的にコミュニケーションを取ってこそビジネスに活きると感じているそうだ。

「少なくとも自分より、“生の出来事”をたくさん見ているわけじゃないですか。年上だからって距離を置くんじゃなくて、自分から歩み寄って学べばいい。会社や商品の歴史や、本を読んでも分からない生の空気を教えてもらえるっていうのはすごく貴重なことです。たとえば、私は『横浜スタジアムができた経緯』を、部下ではないですが周囲の年配の方から口承で聞く機会に恵まれました。結局、いまの商品やサービスだけ知っていてもお客さんの心はつかめないんです。私は『歴史』をマーケティングや企画に活かして、しっかりと価値にしていきたい。

それはどんな仕事でも同じことが言えると思います。マネジメントの観点から言えば、結果として相手の土俵で話をすることにもなるので、コミュニケーションも円滑になるはずです」
(末吉陽子/やじろべえ) 池田 純

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