日本は世界一お金が余っている? freee佐々木氏の起業論

「周りがダメ先輩ばかりなら、YouTubeを見ればいい」

2016.09.12 MON

給料?やりがい?30男キャリア相談所 > 個性派社長のお悩み相談室


佐々木大輔(ささき・だいすけ) 1980年生まれ。一橋大学商学部卒。博報堂などを経て、2008年からGoogleに入社。2012年にはfreee株式会社を創業。人工知能で会計を効率化する全自動のクラウド会計ソフトfreeeを展開し、起業家のサポートを行っている
(撮影=森カズシゲ)
全自動のクラウド会計ソフトを展開するfreee。代表取締役の佐々木大輔氏は、博報堂やGoogleを経て31歳で同社を創業した。人もうらやむ華やかなキャリア。しかし、佐々木氏にエリート意識はなく、むしろ「周りに勝てる気がしない」という劣等感を成長の糧にしてきたという(前編記事はこちらから)。

起業後も成長意欲を失わない佐々木氏に、「伸び悩みを感じている会社員」が突破口を開くためのアドバイスを頂いた。

●プレゼン下手な日本人…能力とモチベーションを上げるには?


これまで佐々木氏は、成長意欲を満たしてくれる刺激的な環境に常に身を置くことで、己を鼓舞することができたという。

「自分の職場にお手本になるような人がいなくても『すごい人』から学ぶことはできますよ。今はYou Tubeに海外の起業家のインタビュー動画がたくさん上がっている。僕は『スタートアップ・スクール』という、スタンフォード大学で開催される講演イベントの動画を見まくりましたね。有名な起業家が次々登壇して、ビジネスの戦略、採用、カルチャーの話とかまで話すので、素晴らしい知識を得られる」

そうした経営者のノウハウは、起業家ではない一般的な会社員でも役に立つものなのだろうか?

「十分に役立つと思いますが、会社員の方でしたらTED Conference(テド・カンファレンス。各分野の優れたアイデアを持つ人物がプレゼンテーションを行う講演イベント。インターネット上で、無料動画配信を行う)がいいでしょうね。日本人は特にプレゼンテーションが下手なので、TEDとか見て『なんでこの人の話は面白いんだろう?』と考えるべきだと思います。それは僕自身もGoogle時代に先輩から言われて、けっこう意識的にやっていたことですね。

あとは、モチベーションを高めるためには本を読む。オススメは高橋是清(第20代内閣総理大臣)の自伝かな。アメリカで奴隷になったり、詐欺にあったりした後、日露戦争の資金調達とかをした人なんですけど、まあとにかく波瀾万丈。とりあえずやってみちゃった、みたいな人の生き方って面白いし、考えさせられますよね」

●恥ずかしい失敗は“アリ”。迫力を身につけろ!


佐々木大輔
佐々木氏は4年でGoogleを退社し、起業という決断をした。佐々木氏自身、30歳というキャリア形成の節目でリスクを冒すことに抵抗はなかったのだろうか?

「それはなかったです。昔は脱サラに失敗すると恥ずかしいみたいな風潮がありましたが、Googleなんてそれこそ起業で派手に失敗した経験のある人たちも一定数いるし、そういう人たちのほうが一目置かれるんですよ。ピカピカのキャリアの人には出せない迫力がある。プレッシャーに強かったり、経営者の視点でビジネスを先読みできるとか、やはりちょっと違いますよね。一度起業してみるのは、失敗込みでキャリアとして“全然アリ”じゃないかと思います。今、日本は世界一お金が余っているんじゃないかというくらい資金も集めやすいですしね」

自身が起業した4年前より、圧倒的にチャンスは広がっていると語る佐々木氏。では、起業に向いているのはどんな人なのだろうか?

「一つの芯を貫き通せる人じゃないですかね。外野の声に振り回されず、うまくいく道筋が見えるまでやり切れる人。起業って、じつはすごく恥ずかしいことだと思うんですよね。たとえば飲食店を開くにしても、自分は最高に美味いと思って勝負をかけた料理を『こんなの美味いと思ってるのこの人(笑)』みたいに言われるかもしれない。自分という人間の感性を丸裸にされるような感覚ってあるんですよ。そういうことにあっけらかんとしていられることが、何より大事なんじゃないかと思います」

(榎並紀行/やじろべえ)

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