zetton稲本会長が語る 仕事のつくり方&ライフスタイル

「やりたいこと見つからない」なんて悩みは「最低!」

2016.10.31 MON

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(撮影=小野奈那子)
26歳でzetton(ゼットン)を創業し、ハワイアン・カフェ&ダイニング「ALOHA TABLE」など、ヒットする飲食店を数多く手がけてきた稲本健一会長。現在、国内外で展開するレストランやカフェは82店舗にものぼる。

飲食ビジネスで成功を収めてきた稲本氏が考える、“仕事をつくるうえでの心得”そして“ライフスタイルについての考察”をきいた。

●数字は便利だけど…マーケティングで客が来るわけじゃない


若手が新しい企画をプレゼンするとき、市場規模や売り上げ予測などのデータは欠かせない要素…といわれる。しかし、稲本氏はそうした「数字」には全く関心を示さない。

「俺は社員が作った資料を見るとき、数字のくだりは無視して、『お前はどれだけやる気あるの?』って聞く。数字って、みんなが共有できるものだから便利なんだけど、ゼロイチのとき(何もないところから事業をつくろうとするとき)には、『数字で合議』なんてできないよね。ある意味アートだし、ある意味マスタベーションかもしれない。イチにしたものを広く展開していこう、と思ったらマーケティングも必要になってくると思うけど、それだって『この駅の乗降客数は何人で…』とか気にしても、それでお客さんが来るわけじゃない。結局は、自分が行きたい店かどうかがすべてなんだよ」

机上の空論にすがるより、自分がどれだけ自信を持てるかを突き詰めることが大事。その後で本当にニーズがあるかどうかを考える。それが新しい仕事をつくるコツのようだ。

「そこが難しいんだけど、お客さんに『すいません、これしてください』って言われたら、それはもうニーズじゃない。ニーズって表面に出ているものじゃなくて、ギリギリのところに埋まってるものだから。それを掘り起こすことが大事なんだよね。その時に必要なのが、マーケティングじゃなく感覚なんだ」

●人生は自転車と同じ? 「もっと“ライフスタイル”を考えろ」


稲本氏は、週末はサーフィンやスキー、トライアスロンに親しむスポーツマン。また、現在は展開する店舗やプロジェクトがあるため1年の3分の1をハワイで過ごすなど、公私ともに充実した日々を送っている。だからこそ、日本人のライフスタイルに、首をかしげたくなってしまうこともあるようだ。

「日本人って、世界で最も『ライフスタイル』について考えてないと思う。大学を卒業したら結婚して子供が生まれて、家を建ててっていう、ひとつのフレームにはまりすぎ。住むところもずっと一緒だったりするし」

仕事や人生について悩みがちな若手ビジネスマンに対しては、“考えるべきだけど、悩んで立ち止まるべきじゃないと思う”という。

「俺、トライアスロンやってるから分かるんだけど、自転車が安定するのって高速で走ってるときなの。人生も同じで、走り続けてないと安定しない。止まることは安定じゃないんだよね。でも、人生を走るスピードは自分で選べる。ゆっくり走ったら周りの景色がよく見えることもあるから。『どれぐらいの速さが気持ちいいんだろう』『どのスピードで走りたいんだろう』っていうのを明確にしたほうがいい。それがライフスタイルを考えるっていうことだと思うんだよね。

だから『やりたいことが見つからない』なんて悩み、コレは最低! そんなこと言ってないで、自分の気持ちいい速さで走ればいいんだ!」

(末吉陽子/やじろべえ)

稲本健一(いなもと・けんいち) 1967年愛知県生まれ、金沢育ち。名古屋でプロダクトデザイナーとしてデザイン事務所に勤めながら、夜はバーテンダーとして働く。1995年、レストランバー「ZETTON」を開業し、株式会社zettonを創業。現在では様々な業態で店舗を国内外で拡大している

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