東大院在学中に「ゲノムビジネス」のジーンクエスト起業

28歳女性社長・高橋祥子氏の「サボり癖回避法」とは?

2016.12.05 MON

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(撮影=栃久保 誠)
日本のゲノムビジネスにおいて、トップランナーの一人として注目されているのが、高橋祥子氏だ。東京大学大学院在学中に、日本初の遺伝子大規模解析サービスを個人向けに提供するスタートアップ、ジーンクエスト社を創業。300項目以上の解析結果をWeb上で確認できるサービスを展開している。

起業家であると同時に研究者の顔も持つ高橋氏は、「宇宙よりも複雑」といわれる遺伝子の謎を解明すべく、ハイ・モチベーションでタスクをこなしているが、まれに気分が“下がる”こともあるという。そんな高橋氏に、仕事に立ち向かう姿勢やモチベーションをキープする際に役立つ、「経営者、かつ研究者らしい」アプローチ方法を聞いた。

●“自分がドキドキすること”を定義してモチベーションをコントロールする


「仕事なら『モチベーションが低いからやらない』とかはあり得ないですよね。ちゃんとやりなさいよ、それだけですね」とズバリと語る高橋氏…。しかし、それでも会社経営を通してモチベーションが下がる瞬間もあるそうだ。

「私は、複雑な遺伝子の謎を全部解き明かせば、人の健康や社会の役に立つって信じていて、それを自分の手で成し遂げたいと思って事業をしているんです。でも、トラブルが起きたときは、モチベーションがすごい下がります。『生命の謎を解こうとしているのに、こんなトラブル対応なんて本当にどうでもいい!』って思っちゃうんですよ」

そんなときには、思考の転換を“処方箋”にしているという。

「やっぱり自分がなんのために会社をつくったのかとか、目指しているところはどこなのかとか、『夢』を思い出すと割とどうでもよくなるんですよね。そのためにも、自分がどういうときにモチベーションが高まったとか、どういうことを思い出すと気持ちが高まるとかを考えて、“ドキドキを定義する”ことは大事。私の場合は、『遺伝子の謎解明』に向き合えること、新しい発見をしたときにテンションが上がります。人によってそれぞれだと思うので、自分なりのドキドキの定義をメモしておいて、モチベーションが下がったときに見直すといいんじゃないですかね。人間ってすぐに忘れる生き物なので、書いて見直す行為が大事です」

●“めんどくさい”を適切に処理すると行動が変わる




理系の研究者といえば、コツコツと実験を積み重ねる姿を思い浮かべるが、意外にも高橋氏は「筋金入りのめんどくさがり」だという。人並み以上の仕事をこなす高橋氏は、そうした負の感情といかに向き合っているのだろうか?

「私は、“めんどくさい”という感情を抱くこと自体、決して“負”だとは考えていません。面倒だと感じるからこそ、より効率の良い方法を考えようとするわけで、“めんどくさい”をコントロールできたら世界は変わると思いますよ」

そう考えるに至った背景には、学生時代のこんなエピソードがある。

「大学の研究室に、朝から晩まで地道な作業に没頭できる人がいたんです。明らかに非効率な作業なんですけど、それが面倒だと感じないばかりに延々とやり続けてしまう。ラクをするために改善策を考えようという発想に至らないんです。その姿を見たときに、私は本当にめんどくさがりでよかったなと(笑)」

しかし、めんどくささを回避することが“サボり癖”につながってしまい、成長の機会を逸しているのではないかと感じているビジネスマンも多いはず…。高橋氏はいかなる方法で、めんどくささをコントロールしているのだろうか?

「目の前にやるべきことがあると頭では分かっていても、ついマンガを読んでしまうなど、楽な方に引っ張られることってありますよね。私自身、会社を立ち上げて間もない頃、社長業と掛け持ちで博士号の卒業論文を書かなくてはいけなくて、1カ月間くらい朝から夜は会社、夜から明け方までは研究室に缶詰めで、『もうサボりたい…』と思うことも。

その時は、“サボったら何をするのか”のリストを作りましたね。髪を切りに行きたい、たくさん寝たい、とか、思いつく限り全てを書き出してみたんです。でも、いざリスト化してみると、自分が本来やるべきことに比べて、本当に取るに足らないことだと思えたんです。比較対象を明確にすると、『自分が本来やらなきゃいけないし、やるべきこと』がより明確になるので、選ぶべきことをハッキリ意識できるんですよ。実際、リストに書いた項目のほとんどはヒマになってもやりませんでしたから。“サボり対策”に有効な手段だと思いますね」

(末吉陽子/やじろべえ)
高橋祥子(たかはし・しょうこ) 1988年生まれ大阪府出身。2010年京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中に株式会社ジーンクエストを起業。2015年3月博士課程修了。個人向けに病気や体質などの遺伝子情報を伝えるゲノム解析サービスを行う
高橋祥子(たかはし・しょうこ) 1988年生まれ大阪府出身。2010年京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中に株式会社ジーンクエストを起業。2015年3月博士課程修了。個人向けに病気や体質などの遺伝子情報を伝えるゲノム解析サービスを行う

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