「情報量が多すぎる」ゆえの「探さない時代」は終わった

アソビシステム中川氏が考える「共感」ビジネス新潮流

2016.12.26 MON

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(撮影=森カズシゲ)
KAWAii(カワイイ)カルチャーをはじめ、原宿生まれのコンテンツを発信するアソビシステム。従業員数約40名と小規模な会社ながらも、プロモーション事業からイベント事業まで幅広く手掛け、世界を相手にビジネスを展開している。

創業者の中川悠介氏は、クライアントや所属アーティスト、取材対応など1日平均70人近くと会い、タイトなスケジュールをこなしながらも「仕事を楽しんでいる」と言い切る。そんな中川氏に、若手ビジネスマンがモチベーションを引き出すうえで大事にしたい思考のポイント、そして“行動しにくい時代”にこそ生まれるビジネスの芽についても聞いた。

●モチベーションは“ガワ”じゃない! 結局は泥臭い会社

そもそも中川氏が仕事を楽しめているのは、「仕事が自分のライフスタイルに近い」からだという。

「たまに言われるんですよね、どうやってモチベーション作ってるの?って。僕の場合は仕事の内容が自分の好きなことと非常に近いんすよね。毎日眠いし、疲れてるけど、人としゃべることが好きなので、結局は仕事が楽しい」

だからこそ、「肩書やブランドをモチベーションにする」ことには否定的だ。

「僕自身は、会社の名前とか住んでる場所って何でもいいって思ってる。正直、そこのモチベーションって、仕事をするうえでは逆に邪魔にしかなりませんよね。たとえば、『六本木ヒルズに勤めてる人カッコいい』とか、『代理店マン、カッコいい』とか。肩書とかブランドっていうのかな。世間は“ガワ”(外側、表面)を重視する傾向があるけど、そうじゃないなって思うんですよね」

その思考の裏には、創業から現在まで変わらないスタイルがある。

「アソビシステムなんて超弱小企業ですよ。特に初めは『アソビシステムです』って言っても、『はぁ?』って感じでした。今もめっちゃ体育会系ですし、ポップカルチャーなんてやってるわりに泥臭いんですよね。だからこそ、ガワにこだわりすぎてもしょうがねえなって思うんですよ。『自分自身がいかに仕事に自信を持てるか』とか、結局そういう部分がすごい大事な気がするんですよね」

●「探さなくて済む時代」に、また個人が「探し始めた」。次のビジネスは?



ビジネスを考えるうえで、実際にモノを買うなどの「行動する消費者が少なくなった」というのはよく聞く話。リアルな場とSNSを使い分けながら所属タレントのプロモーションやイベントを仕掛ける中川氏は、昨今のこうした風潮をどう見ているのか。

「情報量が多すぎるのかなとは思いますね。かつてはニュースって朝刊や夕刊とかのタイミングで仕入れていましたけど、いまはなんでもYahoo!とかLINEのニュース。1日に何回も更新されて、次々とトピックも変わって。なので、『何が重要で、何が重要でないか』が分かんなくなるんじゃないかな。たとえば新しいテーマパークができると、SNSで写真や情報がバンバン流れてきますよね。そしたら行った気分にはなるじゃないですか。まあ、スマホが便利だから当たり前だと思いますけどね」

ただ中川氏は、そんな現状も今後変わっていくととらえ、「チャンスだ」と考えているという。

「『ぐるなび』や『ホットペッパー』とかができたことで受け身になり、『探さない時代』になったとは思うんですが、でも今、SNSで個人が発信するようになって、またいろんなものを『探す』ようになってるでしょ。個人の口コミって、もともと日本のプロモーションの原点だと思うんですよね。さらにその先に行けば、そういう個人たちが一緒に共感するとか、集まるリアルな場所みたいなのが大切なんじゃないかなって。

いま音楽業界もライブに力を入れてますよね。実際、ライブって共感できるじゃないですか。そういう個人ベースの『満たされる場』をつくっていきたいとは思ってますね」
(末吉陽子/やじろべえ)
中川悠介(なかがわ・ゆうすけ)アソビシステム代表取締役。1981年、東京生まれ。2007年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点に地域と密着しながら、ファッション・音楽・ライフスタイルといった、原宿の街が生み出す“HARAJUKU CULTURE”を、国内はもとより世界に向けて発信し続けている
中川悠介(なかがわ・ゆうすけ)アソビシステム代表取締役。1981年、東京生まれ。2007年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点に地域と密着しながら、ファッション・音楽・ライフスタイルといった、原宿の街が生み出す“HARAJUKU CULTURE”を、国内はもとより世界に向けて発信し続けている

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