28歳起業家は、人も仕事も“本質”を見たい

矢島里佳氏「恥ずかしがらず『やりたいこと』を話す」

2017.01.23 MON

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(撮影=小野奈那子)
日本の伝統工芸を生かした乳幼児向けの玩具などを販売する「和える」社。一つひとつ丁寧に作られた“ホンモノ”は、創業者の矢島里佳氏(28歳)が学生の頃から職人とともに開発してきた。

現在では総務省や地方自治体で伝統産業にまつわるプロジェクトの委員も務める矢島氏。彼女の仕事論を聞いた。

●「これが自分の最新!」 頭のなかをオープンに

矢島氏は学生の頃から、周囲に「自分のやりたいこと」を常に話しているという。

「私、『それだけで人生生きてきた』と言ってもいいくらい。毎年何かを言い始めるんですよ。『私は今、日本の伝統、文化に興味があります!』とか、そういう“旗”をずっと立てているんです。そうすると、周囲も『能に興味ある?行く?』とか『里佳ちゃんに声を掛けてみよう』など、ありがたいことに思い出していただけて、やりたかったことが少しずつ実現していく。それは、私に何か特別な能力があるわけではありません。ただ、ずっと言い続けているからなのだと思います」

挑戦したいことがあっても周囲の目を気にして言葉にできない人も多いだろう。しかし、矢島氏はまずは伝えることが、イノベーションの第一歩だという。

「恥ずかしがらずに、自分の頭のなかを『これが最新です!』みたいな感じで話しています。全然違う業界のものが“新結合”すると、イノベーションが生まれる。『和える』のメイン事業である『伝統』と『赤ちゃん』もそうですよね。昨年からは、『aeru room』というホテルのお部屋のプロデュース事業を始めました。『ホテル=泊まるところ』というイメージをくつがえして、日本の地域の伝統に出会えるような仕掛けをしたんです」

●「仕事が楽しくない」の苦しみから逃れるには?



今でこそやりたいことを仕事にしている矢島氏だが、起業して間もないうちは資金が底を尽き、苦労した時期もある。しかし、「仕事内容」と「お金」を天秤にかけるなら、迷うことなく前者を選ぶと彼女は言う。

「お金は大事ですよ。でも、それは貨幣経済の社会の道具として。なぜか道具に支配されてしまうから苦しいんだと思うんですよ。まずはお金がなくなることへの恐怖から、自分を解放することが大事。『お金が出なくても、この仕事やるかな?』って考えて、自分がやるべきことは何なのかを考えたほうがいいですよね」

では、逆に矢島氏が敬遠する仕事とは?

「『これ、何のためにやってるの?』と思ってしまうような、本質が見えない、意味と文脈がつながっていない仕事ですね。いまってそういうことを考えなくても、スキームにのせれば、表層でビジネスができてしまう時代だと思います。でも、いつかむなしくなる気がするんです。やっぱり仕事をしていて一番うれしいのは“自分良し”“相手よし”“社会よし”の『三方よし』の状態。いま仕事に悩んでいる人が多いのは、社会の端々から生きにくさを感じてしまうからのように感じます」

最後に、自分の“好きなこと”を見つけている矢島氏のような女性が考える、「魅力的な男性」とはどんな人なのか、きいてみた。

「表面的に自分を大きく見せようとする『地上から5センチ足が浮いてる』ような人ではなく、いつも等身大の自分でいられる人でしょうね。あとは、自ら手足を動かして縁の下の力持ちになれる人。手柄を主張せず、みんなから感謝されるまでは自分が何かしたなんて思ってすらいない。そういう人ってかっこいいですよね」
(末吉陽子/やじろべえ)
矢島里佳(やじま・りか) 1988年東京都生まれ。高校3年の時『TVチャンピオン なでしこ礼儀作法選手権』に出演して優勝。2007年 慶應義塾大学法学部政治学科入学。2010年2月「学生起業家選手権」で優勝。大学4年時の2011年3月「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いで「株式会社和える」を設立。2012年3月「0から6歳の伝統ブランドaeru」を立ち上げ、各地の職人とともにオリジナル商品を生み出す。日本の伝統や先人の智慧を、暮らしのなかで活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開中
矢島里佳(やじま・りか) 1988年東京都生まれ。高校3年の時『TVチャンピオン なでしこ礼儀作法選手権』に出演して優勝。2007年 慶應義塾大学法学部政治学科入学。2010年2月「学生起業家選手権」で優勝。大学4年時の2011年3月「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いで「株式会社和える」を設立。2012年3月「0から6歳の伝統ブランドaeru」を立ち上げ、各地の職人とともにオリジナル商品を生み出す。日本の伝統や先人の智慧を、暮らしのなかで活かしながら次世代につなぐために様々な事業を展開中

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