今週は“1年のアカを洗い流せる映画”

鮮烈な色彩に心を洗われる『ザ・フォール/落下の王国』

2009.12.07 MON


アカデミー賞デザイナー石岡瑛子による衣装も、他に類のないシルエットと色調で、まさに目に焼きつくほどのインパクト
年の瀬も迫り、「なんとしても年内にケリを!」という業務の数々に追い立てられているビジネスマンも多いのでは? そんなあなたのガチガチにこわばった魂を、ひととき色あざやかな異界にトリップさせてくれる映画をご紹介しよう。

この映画で描かれる世界は、ふたつ。
ひとつは1915年のロサンゼルス。薬品と汗のにおいが立ち込めた古ぼけた病院…現実の世界だ。入院患者のロイは、映画撮影のスタントに失敗して半身不随に。孤独に追い詰められ、自殺するための薬を入手しようと考える。自分は身動きできない状況で思いついたのは、同じ病院にいる5歳の少女を利用すること。6人の勇者が悪に立ち向かう物語をでっちあげ、それを語ることで彼女を操ろうと試みる…。

そしてカメラはもうひとつの世界=ロイの物語の世界を映し出す。6人の勇者が広大な空のもと渡り歩く、真っ白な砂漠、鏡のような水面、魔都のごとき廃墟。この色あざやかな光景と、奇想天外な冒険に満ちた異界に飛び込めば、あなたの心もすさんだ現実を離れて洗われるにちがいない。ロイと少女の心が、そうであったように。

しかもこのファンタジックな風景が、セットやCGではなく現実のものというのが驚き。CMやPVの監督として著名なターセムが、様々なロケ地で撮りためてきた映像が使われている(13の世界遺産、24カ国以上の風景!)。この鮮烈さ、一見の価値あり。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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