今週は“休みボケから目覚められる映画”

夢と現実の距離をとらえた映画『未来を写した子どもたち』

2010.01.12 TUE


彼らの写真は地元カルカッタのほかニューヨークでも展示され、高い評価を受けた (c)Red Light Films, Inc. 2004
年末年始の休みが明け、ちょっとぼんやりしていたら1月ももう半ば。だらだらとルーティンをこなしているだけでは、あっという間に2010年も過ぎ去ってしまう。そこで、仕事と人生にしっかり向き合う気合いをくれる映画を紹介しよう。

本作は、インド・カルカッタ(現コルカタ)の売春窟に住む子どもたちをとらえたドキュメンタリー映画。そう聞くと、“救いのない陰鬱な映画”を想像するかもしれない。だが実際には、子どもたちの笑顔がはじける、前向きなエネルギーに満ちた映画になっている。彼らに笑顔をもたらしたのは、小さなインスタント・カメラだった。

ニューヨークで活動する写真家ザナ・ブリスキは、売春窟で働く女性たちを撮るためにこの地を訪れた。だが取材を進めるうち、子どもたちの存在に気づく。試みにインスタント・カメラを渡してみると、彼らは街と人の様々な表情をとらえて見せてくれた。子どもたちは初めて、「表現すること」を知ったのだ。表現とは世界と関わることであり、彼らは閉ざされた売春窟の外側へと、夢を育んでいく。

子どもたちが学校に入れるようザナが奔走する一方で、彼らを自分の手元から放すまいとする親もいる。子どもたち自身も、自分の道を選択する。町を出て寄宿学校へ行こうとする者、町に残ったまま写真を続けようとする者、元の暮らしに戻って親と同じ職業を継ごうとする者……それぞれに夢と現実との距離を測って、自分の生き方を選び取る。彼らの強い意志の力は、画面を通してきっとあなたの心にパンチを入れてくれるはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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