音色はいろいろ「住活」組曲

第5回 新築分譲マンション探しのキホンとは?

2010.02.04 THU

音色はいろいろ「住活」組曲

新築マンションが欲しくなったら、まず初めにすべきこととは?



そもそも持ち家としての新築分譲マンションにはどんな特徴、というか魅力があるんでしょう? なんとなく立派なものというイメージはあるのですが…。

「一般的な賃貸アパート、マンションは、オーナーの収益率を上げることを主目的に建てられるので、住人が後付けできるものは住人任せが基本。設備や建具も、質感よりメンテナンス性やコスト優先になりがちです。それに比べ、新築の分譲マンションは、購入検討者に『数千万円という価格に見合う』と思ってもらわなければならないので、同じ設備でも高級感、質感が違ってきます」(『SUUMO新築マンション』編集長・山下伸介さん)

「立派」というイメージは間違いではないようですね。具体的にはIHクッキングヒーター、またはガラストップコンロ、ビルトイン食洗機、ディスポーザーといったものが、新築マンションの一般的な設備とのことです。

「ほかにも、各部収納スペースの充実度、セキュリティの高さ、共用施設やフロントサービスの利便性など様々な点で優れていることはもちろん、最新の地震対策がとられた物件を選べる点もメリットです」(山下さん)

なるほど。そんな充実の新築分譲マンションですが、物件もその情報も僕の周りにはたくさんありすぎて、正直何をどう選べばいいのかわからなくなってしまいます…。そこで、新築マンション購入に関して専門スタッフがアドバイスをしてくれる「マンションナビカウンター」の銀座店長でアドバイザーの渡邊光智代さんに聞いてみました。

「何も準備をせずに探し始めると、駅からの距離や広さといった、スペック部分に目が行ってしまいがちです。その場合、納得して決められる人は少ないですね。それは『どんな暮らしをしたいのか』『どんな環境に住みたいのか』『将来のイメージ』などといった点をしっかり考えられていないからなんです」

つまりは「狭くても職場の近く」「遠くても広い家」「にぎやかな商業施設や繁華街の近く」「閑静な住宅街」など、暮らしたいエリアの具体的なイメージがあれば、それに見合う住まいがグッと絞られてくる、ということ。
「ざっくり」ではなく「できるだけ具体的に」というのが暮らしのイメージをまとめるときに重要なことなんだそうです
「(1)したい暮らしのイメージを、優先順位をつけてまとめる。(2)予算の上限を決める。(3)エリアを可能な限り広げる。この3つを掛け合わせて物件を幅広く比較検討することでより納得のいくマンション探しができます」(渡邊さん)

あらかじめ考えておくこと、準備しておくことが重要なんですね。加えて、親の援助や会社の優遇制度など、自分が工面できるお金、活用できる制度を調べておくと、当初より予算がずいぶん増えるケースもあるそうです。

「そして一番大事なのは『現地』を見ること。正直、モデルルームで見られるのは設備や仕様、建具などの好みくらいですし、最悪、後から変えることもできます。しかし、立地や周辺環境は変えようがない。そういった不変的な要素は現地に行って確かめるしかありません」

実際に駅から歩いたら、意外と遠かった。閑静と聞いていたけど、交通量がけっこうあった。逆に線路から近いけど、それほどうるさくなかった、なんて場合も。この辺は個人の感覚もあるので、やはり現地に行って自分で確かめるしかない。確かにそのとおりですね。

旬のキーワードはやっぱりエコ!? 最近の新築マンション事情とは?



エリアや予算、望むライフスタイル…なんとなく、欲しいマンションが絞れてきたら、いよいよ物件の個別比較ということになりますね!

そこでまずは現在の新築マンションを大まかに種類分けしてみたいと思います。ザッと見ただけでも、スケールの大きなマンションから、高層のタワーマンション、隠れ家っぽい小規模な低層マンションまで、いろいろあるのはわかりますが…。

「規模×階数の2軸で語ると、大規模マンションは『広大な敷地に多棟を配したタイプ』と『上に伸びたタワータイプ』があり、小規模は『周囲に一戸建てが多い住宅地に建つ低層型』と『市街地に建つ十数階建てくらいの細長い中高層タイプ』に分けられ、それぞれにメリットがあります」(『SUUMO新築マンション』編集長・山下伸介さん)

大規模マンションでは管理費や修繕積立金などを多くの戸数で分担できるので、ランニングコストを抑えられるといったメリットが。小規模マンションの場合はプライバシーが守られやすかったり、住戸の規模に大きな差がなければ、同じような生活環境、価値観を持つ人が集まりやすいといったメリットがあるそうです。

「最近のトレンド、という意味では『エコ』が挙げられます。太陽光パネルを設置し、共用部の電力をまかなったり、エコカーをカーシェアリングしているケースもありますね」(山下さん)

さらにマンションならではのメリットもあるようです。

「一戸建てとマンションを比較した場合のマンション側のメリットとして、建物の保守・修繕のために行う共用部の管理業務が計画的に行われる安心感が挙げられます。マンション購入者は管理組合への加入が法律で義務づけられており、実際の業務は管理会社に委託して行うケースがほとんどで、その委託料が管理費です。また修繕積立金というお金も毎月支払う必要がありますが、これは将来の大規模修繕に備えて積み立てられる管理組合の貯金です」(山下さん)

なるほど、一戸建ての場合は管理も修繕も全部自分で計画・手配し、その都度費用も負担しなければいけないわけですもんね。ものぐさな人にはマンションが向いているかも。

「きちんとした管理をすれば、物理的な資産価値を保つことができます。また、中古購入検討者に好印象を与えるため、売買上の資産価値を高める効果も期待できますよ」(山下さん)

あ、ちょっと待ってもらっていいですか? マンションの「資産価値」って言葉、よく聞くんですけど、マンションに「住む」以外の価値があるんでしょうか?

「当然、自分の所有物ですから売却して換金化できるんですよ。ただし、ローン残高が売却額を下回っていなければいけませんが。また、売らずとも人に貸して収益を上げることもできます」(山下さん)

資産価値の高い物件ならば、より高く売ったり貸したりできるわけですね。管理組合の活動とか面倒そうと思ったけど、それならやる気も出ます(笑)。
自分が住む以外のことも考えれば、メンテナンスにもより一層気合が入るかもしれませんね
「もし、売ったり貸したりする気がなくても、賃貸物件と違い、持ち家なら住む権利は保証されます。年金収入のみの老後に残すリスクが軽減されるという点でも、住宅を資産として所有する意味があるのでは」(山下さん)

同じような条件の新築マンションで迷ったら、将来の資産価値が期待できるかどうかも判断材料になりそうですね。新築マンションって奥が深い! ピカピカの建具、でっかい外観、ステキなデザイン。

新築マンションというと、そういった見た目の印象ばかりに気を取られていましたけど、それは新築マンションのほんの小さな一要素でしかなかったんですね。
それに管理や修繕、ランニングコスト、資産価値など新築マンションの新たな側面も見えて、本当にためになりました。

暮尾豊、明日からはひと味違う目線で新築マンションの広告やモデルルームを見ることができそうです(キリッ)!

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