今週は“女性の気持ちを理解できる映画”

女心に秘められた“覚悟”を知る映画『シリアの花嫁』

2010.02.08 MON


深いテーマを描きながら、全編に笑いがちりばめられている点も見事 (c)ERAN RIKLIS PRODUCTIONS, MACT PRODUCTIONS, NEUE IMPULS FILM
女性の方が男性よりも強い。バレンタイン前のこの時期、特にそう思い知る男性が多いのでは? 何しろ、女性のジャッジを待つことしかできないのだから。でもそんな女性の強さこそが、精神的にも立場的にも不安定な、若い男性を支えてくれるのも事実。今回は、強さとやさしさの裏に隠された、女心に触れられる映画を紹介しよう。

舞台はゴラン高原、ある結婚式の一日が描かれる。ここはイスラエルとシリアの間に位置しており、本来はシリア領だが現在はイスラエルが併合。両者が今もにらみ合いを続けている。そのためゴラン高原の女性がシリアに嫁ぐと、“敵国”の占領下には二度と戻れない。高原に残る家族とは、一生の別れになってしまうのだ。

主人公は、嫁ぐ妹と、残る姉。悲しみと不安に暮れる妹や、あわただしく動き回る男性たちに対し、姉の揺ぎない強さが印象的だ。わがままな夫、頑固な父、お調子者の弟……よくも悪くも子供じみたところのある男性たちの中で、姉はまっすぐに“自分”を貫き通す。その姉を目の前で見られる最後の日、妹はひとりで前に踏み出す強さを、胸に刻み込む。

恋人、夫、父、ビジネスマン……立場が様々に変わることで、男たちは揺れ動く。しかし女性たちは、どんな時にも“自分”というものに筋が通っているように見える。その強さゆえのやさしさ、強さの裏にある覚悟と孤独を、この映画で感じ取れたなら、あなたの女性たちを見る目も変わるはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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