「2D」と「3D」が初の本格激突

アカデミー賞受賞作品で占うハリウッド映画、今後の行方

2010.03.18 THU

3月上旬に華々しく開催された第82回アカデミー賞では、映画界〈第3の革命〉の起爆剤となった3D映画『アバター』と、低予算映画ながら世界の映画賞で100以上のタイトルを獲得した『ハート・ロッカー』が真っ向から対決。今回、『アバター』が内容的にも評価が高かっただけに、果たしてアカデミー会員は立体映像作品にどんなジャッジを下すのか…。映画界の将来を占うであろう今年のアカデミー賞・最優秀作品賞の行方に、ハリウッドのみならず世界中の映画関係者がいつも以上にアツい視線を送っていたのである。

ハリウッドでは、アカデミー賞に至るまでにいくつもの賞レースが展開される。思えば今年度は、『アバター』による〈革新〉vs従来の脚本を重視する〈伝統〉との熾烈なドッグファイトが繰り広げられた年だった。実はその〈伝統〉の代表格とされた作品が、アカデミー賞・主要5部門にノミネートされていた『マイレージ、マイライフ』。わずらわしい人間関係から距離を置き、リストラ宣告人として全米を旅する男性が抱える自由と孤独を描いたドラマを「ストーリー性に富んだハリウッド映画の伝統を継承する秀作」と全米の評論家たちが大絶賛! 賞レース序盤戦では、『アバター』の対抗馬として有力候補の1つとされていたのだ。

だが、その後、じわじわと評価を上げた、同じく〈伝統〉系社会派映画『ハート・ロッカー』の出現で混戦モードに突入。賞レース後半戦では『ハート・ロッカー』が頭一つ抜きん出て連勝を続けたものの、アカデミー賞の前哨戦と呼ばれるゴールデングローブ賞では『アバター』が作品賞を獲得して勝負はまたふりだしに。そんなこんなでヒートアップして迎えたアカデミー賞・最優秀作品賞の栄冠には、『ハート・ロッカー』が輝いたのだった。

今回、〈伝統〉に軍配が上がったアカデミー賞だったが、ハリウッドが〈革新〉に寄せる大きな期待感は十分に示された。今後も見ごたえある3D映画が賞レースをにぎわすことは間違いない!?
(足立美由紀)


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