今週は“よき先輩像を学べる映画”

革命家の背中に“先輩”を学ぶ『チェ 28歳の革命』

2010.04.07 WED


チェを演じたベニチオ・デル・トロは、本作でカンヌ国際映画祭主演男優賞を獲得 (c)2008 Guerrilla Films, LLC‐Telecinco Cinema,S.A.U.All Rights Reserved.
職場に新人を迎えるこの時期、コワモテで指導するべきか優しく世話を焼くべきか、戸惑うR25世代も多いのでは? そんなあなたに、人を導く力というものを感得させてくれる映画『チェ 28歳の革命』を紹介しよう。

「チェ」と言われてもピンと来ないと思うが、「チェ・ゲバラ」の名は聞き覚えがあるだろう。伸び放題の髪とヒゲに軍帽をかぶった肖像写真は、カウンター・カルチャーのアイコンとして、いまだに高い人気を誇っている。ジョン・レノンをはじめ、多くのミュージシャンや著名人に支持されてきたチェ・ゲバラ。その雄々しく、熱情に満ちた半生を描いたのがこの映画だ。

アルゼンチン出身の医師チェは、キューバの独裁政権と戦うカストロにメキシコで出会い、解放部隊に参加。キューバへ渡るが政府軍の襲撃により、80人を超えた部隊が十数人に減ってしまう。だがチェの不屈の戦いは、始まったばかりだった……。
革命とは、理想を書き連ねたスローガンではなく、肉体と銃弾を用いた戦いだ。その先頭に立つチェには、厳しさと優しさの両方が求められた。厳しい規律と合理的な判断で集団を導き、裏切り者には容赦がない。一方で、軍医として敵味方なく負傷者を治療する優しさを見せる。そして、喘息持ちである自らにはストイックで、肉体の鍛錬を怠らない。28歳の若さで革命に身を投じたチェは、みるみる人望を集めてカリスマ的司令官になっていく。

行き当たりばったりに厳しかったり甘かったりしても人はついてこない。一本、筋の通った目標があり、それに対して徹底的に誠実であること。その背中を見て、後輩は「この人についていこう」と思うのだ。

できるかぎり自然光による撮影にこだわるなど、映画的な装飾を排した本作は、ドキュメンタリーと見まがうほどにリアル。人を導き目標へ突き進むチェの情熱が、きっとあなたにも飛び火するはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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