今週は“音楽に気持ちよくノレる映画”

夢と涙の映画『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』

2010.05.12 WED


4月には日本ツアーも行われ、熱烈なファンが会場に押し寄せた。この映画で、新たにファンになった人も多かった模様 (c)Metal On Metal Productions, Inc.
ゴールデン・ウィークが明け、たまった仕事をこなそうにも、なかなかペースを取り戻せないR25世代も多いのでは? そこで、あなたの体に熱いビートを刻み込んでくれる映画『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』を紹介しよう。

本作は、カナダのヘヴィメタル・バンドANVILのドキュメンタリー。80年代に鳴り物入りでデビューし、当時来日した際にはBON JOVIとともにサマー・フェスに出るほどの人気だった。多くのミュージシャンが敬意を表する、才能あふれるバンド。だが、彼らはビッグになれなかった。

給食の配達や内装工事の仕事をしながら30年間、細々とANVILを続けてきた。老いた姉に心配をかけ、嫁に愚痴られ、たまにツアーに出ても客席はがらがら。そうして50歳を過ぎ、それでもまだ「I wanna be a rock star!」と叫ぶ男は愚か者か? いや、そんなはずはない。彼らはそう叫ぶだけではなく、こつこつと努力を積み重ねてきた。真面目に音楽を作り、ライブを重ね、一人ずつでもファンを増やす。熱く突っ走るサウンド・スタイルそのままに、テンポを落とすことなく人生のリズムを刻み続ける彼ら。その才能を信じる人々が、ついに現れたのだ。

本作の監督サーシャ・ガバシは、スピルバーグの『ターミナル』で脚本家として成功した、いわばハリウッド・セレブ。彼は実は、10代のころANVILのツアー・スタッフを務めていたのだ。本作が発表されるや、ダスティン・ホフマンやキアヌ・リーブス、マイケル・ムーアらハリウッドの著名人が続々と賛辞を寄せ、ANVILの名はあらためて世界に広まっていった。折しも80年代メタルのリバイバル・ブームが巻き起こり、ふたたび音楽活動だけで食べられるようになったという。

夢を現実にするのは、自分自身で刻む、内なるリズム。メタル嫌いでも男泣き必至の本作で、あなたも胸の中の炎を燃え上がらせよう。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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