今週は“結婚生活の一端を探れる映画”

夫婦っていいかも、と思わせてくれる映画『人生に乾杯!』

2010.05.26 WED


老夫婦を追う、若い刑事のカップルの恋愛模様も巧みに描かれている快作 (c)M&M Films Ltd.
ジューン・ブライドの季節を前に、結婚式の招待状が届いているR25世代もいるのでは? 結婚はいずれしたい、でも今はまだ……という人が多いと思うが、たまには結婚というものについて考える機会があってもいい。そこで、結婚を猛プッシュするのではなく、「こんな夫婦もアリかも」と思わせてくれる、やさしい映画『人生に乾杯!』を紹介しよう。

舞台はハンガリー、主人公はエミル(81歳)とヘディ(70歳)の老夫婦。かつて運命的な恋に落ち結婚した二人だが、今は生き延びるだけで必死。年金だけでは暮らしが成り立たず、借金取りに追われる日々だ。社会経済の大きな変革を経た国はどこでも、お年寄りにしわ寄せが来るのだ。

二人が結婚するきっかけとなったダイヤのイヤリングまで借金のカタに取られ、ついにエミルは立ち上がる。冷たい世の中への怒りに駆られ、郵便局を強盗。次々に、しかしあくまでも紳士的に強盗を重ねていくエミルに、ヘディもかつての愛情とときめきを思い出し、ともに逃げる決意をする。二人の逃避行は、やがてマスコミや民衆を巻き込んで意外な結末へ……。

社会的なメッセージも織り込んだ作品だが、あくまでノリはコミカルで軽快。そして愛と行動力を取り戻していく老夫婦が、実にキュート! 結婚前には「恋」がすべての中心にあった二人が、結婚すると「生活」中心になり、そして時にくたびれてしまう。でもその根底には、ずっと愛情が流れている。そんな夫婦の活き活きした姿を垣間見られて、微笑ましい気持ちになる映画だ。

いつの日か、こんな老夫婦になるのもいいかもしれない――いたずらに焦るのではなく、おだやかな気持ちで結婚というものを考えてみては?
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト