今週は“夫・父親になる心得を知れる映画”

家族を持つ日のために、映画『さよなら。いつかわかること』

2010.08.18 WED


切なくも温かい音楽は、なんとクリント・イーストウッドが提供している (c)2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.
お盆休みに帰省して、ひさしぶりに親戚と顔をあわせてきたR25世代も多いのでは。甥や姪がいつの間にか大きくなっていて、驚いた人もいるだろう。結婚もまだまだなのに、自分が子どもを持つなんて想像できない……そんなあなたに、父親の喜びと切なさをひととき味わわせてくれる映画『さよなら。いつかわかること』を紹介しよう。

シカゴのホームセンターで働くスタンレーは2児の父。しっかり者の長女ハイディは12歳、無邪気な次女ドーンは8歳だ。妻グレイスは単身赴任中で、娘たちはいつも母親を恋しがっている。二人となかなかうまく接することができないスタンレーは、ぎこちない日々を送っていた。

そんなある日、グレイスの戦死の報が届く。彼女は陸軍の軍曹で、赴任先は戦下のイラクだった。突然の訃報にスタンレーは衝撃を受け、妻を待ち続ける娘たちに何と言ったらいいのかわからない。事実を言い出せないまま二人を外食に連れだしたスタンレーは、衝動的にフロリダの遊園地を目指す旅を始めてしまう。その遊園地に行きたがっていたドーンは大喜びだが、ハイディは何かを察知する……。

三人の旅は、傍目には穏やかなものだ。畑で遊び、ホテルのプールに入り、ショッピングを楽しむ。濃密な時間を共有し、父親と二人の娘は絆を深めていく。だがその濃密さの裏にあるのは「母の不在」。欠けている人がいるから、家族の存在を強く意識するのだ。スタンレーは娘たちと理解し合う喜びと、妻をうしなった悲しみに揺れながら遊園地を目指す。旅の終わり、父はどんな言葉を告げるのか。

家族を持つという喜びは、家族をうしなう悲しみと表裏一体だ。遅かれ早かれ、誰もがこの世を去っていく。しかしだからこそ、一緒に過ごす月日が輝かしいものになる。人生最大の喜びと痛みを覚悟する、それが家族を持つということなのだと本作は教えてくれる。これから家族を作っていくあなたにとって、大切な映画になるはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト