今週は“遅い青春も悪くないと思える映画”

“不自由”の滋味を考える映画『マイレージ、マイライフ』

2010.08.25 WED


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気がつけば8月も終わり。遊びに出かけるヒマも、新たな出会いもないまま、去りゆく夏を見送るのみ……そんなR25世代も少なくないだろう。仕事に徹してドライに季節を過ごしてゆくのも、ビジネスマンとしては一つの選択肢。だがちょっと立ち止まって、みずみずしい感情を取り戻す余裕を持つのも悪くない……そう思わせてくれる映画『マイレージ、マイライフ』を紹介しよう。

主人公ライアンは、年間322日も出張するビジネスマン。ひとつの土地に留まることも、いつも一緒に過ごすパートナーを持つこともなく、飛行機で飛び回る彼は「バックパックに入らない人生の荷物は背負わない」がモットー。しかも彼のビジネスは、企業に代わってリストラ対象者に解雇を通告すること――いわばリストラ宣告人だ。プライベートでもビジネスでも、誰かに過剰に思い入れることなく次々に別れを告げていく。何のしがらみも持たず軽やかに移動し続ける彼の楽しみは、その暮らしを象徴するかのように「マイレージを貯めること」だ。

そんなライアンの前に、二人の女性が現れる。同世代の出張族で、割り切った関係を互いに楽しめるアレックス。そして若き新入社員ナタリーは、ネットを利用して出張を廃する合理化案を会社に提出し、ライアンのビジネスとマイレージを危うくする。人を“切る”ことで生きてきたライアンの人生は、転機を前に何と“つながる”のか……?

自由は、孤独と引き換えにしか手に入らない。ビジネスでも、プライベートでも。だが、誰かとつながっていることは、単なる“不自由”か? きっとそんなことはなく、そこには自由とはまた違った、幸福や充足のかたちがある。感情豊かで傷つきやすい10代の青春を封印し、孤独で自由なビジネスをこなしてきたR25世代もたまには、こわばった心をほぐしてみてはどうだろう。遅れてきた青春は、あなたをもう一段階、味わい深い大人にしてくれるはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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