話題のニューストピックを追跡!

MASTERキートンの「灼熱地獄では、スーツ着用のほうが生き延びられる」説は本当か?

2010.08.23 MON

今年は全国的に猛暑で、熱中症で病院に搬送されたり、果てには亡くなる人が続出している。この暑さは命を奪うほどのものだが、対処法として「スポーツ飲料を摂取する」「エアコンは寝る時もつける」などがメディアを中心に喧伝されている。

だが、とある漫画ファンは、暑さに対処するには「スーツを着ること」だと熱弁をふるう。「真夏にスーツ?」と思われる方もいるかもしれないが、漫画『MASTERキートン』(勝鹿北星・浦沢直樹著/小学館)の『砂漠のカーリマン』という回では、猛暑の中のスーツ着用こそ、暑さ対策になるというくだりが確かにあるのだ。

同回は、どんなときもスーツを着ている主人公の平賀=キートン・太一が、タクラマカン砂漠での遺跡発掘チームに参加するところから始まる。キートンを含め5人からなる発掘チームは、途中、現地の部族を激怒させてしまい、部族長に水も食料もない砂漠の真ん中に放り出されてしまう。部族の一人が「(砂漠の太陽のもとでは)2時間の命」と言うが、族長だけは、「あの背広の男(※キートンのこと)だけはもう少し長く生きるかもしれない」とみる――。

キートンだけが長く生き延びる理由として、族長は「背広に長ズボンは直射日光を避け、通気性もいい」ことを挙げ、「それを知ってやっているとしたら、あの男、ただ者ではない」と続ける。結果的には、元SAS(英国特殊空挺部隊)でサバイバルの教官をしていたこともあるキートンが知恵を駆使し、死の砂漠から生還するのだが、この「灼熱の中、スーツは身を守る」説、実際はどうなのだろうか?

紳士服・婦人服のインターネット販売を行っている、スーツネットの代表取締役細田氏は、「高温・低湿の砂漠なら、背広は有効かもしれない」とする。しかし、日本の気候は湿度が高いため、日差しがさえぎられるのはいいが、同時にスーツが湿度のこもるものとなってしまい、「日本において、暑さ対策としての有効性は薄い」とも。

また、細田氏は、最近の夏向けのスーツは軽量化を図り、芯を薄くするなど、より涼しくなるよう心がけた開発がなされているものの、基本的には「スーツはもともとイギリスなど外国が発祥で、日本の気候風土に由来するものではない」ことを指摘。「日本の夏に黒いスーツを着ているのは、暑い」ということなのである。

暑いなかでスーツ着用が正解かどうかは、温度だけでなく湿度も関係してくるということだが、とはいえ、気温にかかわらずスーツを着なくてはならない人が多いのも実情。そういう人たちが購入するのか、細田氏のストアでの販売実感としては「例年に比べ、色の薄いスーツが売れている」とのこと。どうせスーツを着るなら、黒い色よりも薄い色の方が熱を吸収しにくいと購入者が考えるためだろうと細田氏は分析している。

湿度の高い日本の夏。スーツを着たからといって生き延びられるわけではないが、どうせ着るなら、より通気性が高いものを選ぶなど、少しでも涼やかに着たいものだ。

取材協力・関連リンク

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト