今週は“危機管理が身につく映画”

進むか退くか、男の究極の選択を描く映画『アイガー北壁』

2010.09.01 WED


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9月1日は防災の日。オフィスで避難訓練が行われたR25世代も多いのでは? 地震や火災はもちろん、最近では集中豪雨による水害にも油断がならない。日頃から防災用具の位置や避難経路をチェックしておくことは前提として、緊急時に求められる危機管理の心がけを学べる映画『アイガー北壁』を紹介しよう。

時は1936年、ドイツの若き登山家トニーとアンディは、アイガー北壁を登はんすることになる。アイガーはスイスを代表する山で、その北壁は挑戦する者の命を奪い続けてきた“西部アルプス最後の難所”として名を轟かせていた。高さ1800メートルもの切り立った壁に、落石や猛烈な寒さ。極限の状況下、トニーとアンディのドイツ組に、オーストリアの2人も加わって、決死の登はんが始まる……。

安全な“日常”に対し、“危機”というのはわれわれの予測を超えて襲い来るものだ。あなたの会社の防災設備も、何らかの予測のもとにまとめられているはずだし、アイガーに挑戦したトニーとアンディも、その登はんルートから装備にいたるまで綿密に検討した。それでも危機は、思いもよらないかたちでやってくる。完璧と思われた装備が壊れるかもしれないし、頼りにしていた同行者が先にケガをするかもしれない。そこへ予想外の事故が重なったら……。

すべての状況を想定することは不可能な以上、われわれが出来る選択は実は二つしかない。山でいえば、登るか下りるか――強行して行き詰まるか、下りて安全を確保するか。だがここで、「下りればいいじゃん」と言い切れないのは山も仕事も同じだ。トニーとアンディは、ナチス政権下のドイツで国威発揚の使命を帯びていた。貧しく無名な若者にとって、世界的英雄になる無二のチャンスでもある。ではわれわれが、“それでも登らざるをえない理由”は? とっさの一瞬に、見栄や建前と、本当に守るべきものを見定めることこそが、危機管理の根幹かもしれない。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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