今週は“孝行のヒントが見つかる映画”

やさしさに隠れた決意を知る映画『やさしい嘘と贈り物』

2010.09.15 WED


なんと監督は24歳! 奇をてらわない、端正な映画作りに驚かされます (C)2009 Overture street Films, LLC TM, R & Copyright c 2010 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
9月20日は敬老の日。とはいえ、祖父母・両親との予定はとくに入れていない、というR25世代がほとんどでは? お盆は忙しくて休めず、正月休みは都心であわただしく過ごして終わり……というパターンを繰り返して、気づけば2~3年も実家に顔を出していない人も少なくないだろう。でも両親が55歳だとして、年1回しか会わなければ、あと20回かそこらしか会えないかもしれない。家族としてじっくり向かい合うには、あまりに少ない回数……そこで多忙にまぎれて忘れがちな、孝行の大切さ、そして家族のかけがえのなさを思い出させてくれる映画『やさしい嘘と贈り物』を紹介しよう。

スーパーで働く老人ロバートは、自分へのクリスマスプレゼントを自分で用意するような、孤独な生活を送っていた。だがある日帰宅すると、見知らぬ美しい老女が家にいる。とまどうロバートに彼女は、家のドアが開けっぱなしになっていたので心配に思い様子を見に来ただけだ、という。彼女に“前から一緒にいた”ような親しみを覚えたロバートは、また会ってほしいと告げ、二人の仲は急速に接近。ロバートの人生は輝きを取り戻し、スーパーの店長や、彼女の娘も二人に協力してくれて……。

お察しの通り、彼女はロバートと長年連れ添った妻。スーパーの店長は息子だし、彼女の娘はロバートの娘でもある。記憶を失ったロバートが孤独の闇に陥っていくのを見かねて、彼女たち家族は“やさしい嘘”をつくことに決めたのだ。そこに迷いや葛藤がなかったわけではない。だが家族が数十年を経て、その終わりが見えてきたとき、真実を突きつけることばかりが大切なのだろうか? 苦労を重ねて老いた親が、おだやかな笑顔を見せてくれる。そのために、自分の不平をぶつけるのではなくやさしい嘘をつき、仕事に無理をしてでも時間を割く。そんな決意と思いやりが、大人になったからこそ出来る、本当の孝行かもしれない。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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