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安全地帯 福岡で払い戻され大阪で払い戻されぬ理由

2010.09.21 TUE

9月12日に行われたロックバンド・安全地帯の福岡でのライブ公演で、ボーカルの玉置浩二(52)がろれつの回らない状態でステージに上がり、寝転がったり、文句をつけた客に「(チケット代の)7800円くらいで怒るな!」と暴言を吐いたりした。バンドメンバーもこれにはあきれ、ステージを降りる事態となった。ライブ自体は2時間やっていたのだが、途中で帰る客もいたことなどから主催者側はチケット代の返金を発表。また、玉置は7日に行われた大阪公演でも最後の4曲(全29曲中)を体調不良などの理由から歌わなかったが、こちらは返金には至らなかった。

この「返金」だが、たとえばプロ野球の試合の場合は「試合が成立しない」ことが払い戻しの理由となる。それは雨天などで「試合がそもそも中止となった」「5イニングが終了しなかった」場合だ。また、JRの特急料金の場合は、「到着予定時刻を2時間以上過ぎた場合」に払い戻しされる。では、ライブで返金される場合とされない場合――この違いは何なのか?

チケット販売会社で営業を行うA氏は、「基本的には、チケットの裏の免責事項に書かれていることがすべてですが、公演の場合、野球や鉄道のように数字で判断できる基準はありません。『予定時間や曲数の半分以上歌ったから成立』とかはないのです。重要なのはあくまでも『公演として成立したか』ということです。これは客の反応などを見て主催者が判断します」

A氏によると、大阪で払い戻しがなく、福岡で払い戻しがあった違いは「とにかく福岡の公演がひどすぎ、批判も多かったからでしょう。大阪は公演として成立したけど、福岡はしなかった。これは主催者が客の立場に立ち、『ひどかったか否か』や『予定とあまりに違ったか』などの要素から客観的に判断します。曲数はそこでは関係ありません。払い戻し金はまずは主催者が負担し、そこからアーティスト側と主催者の交渉となります」とのこと。

そして、天変地異や交通機関の乱れなどの不可抗力によってイベントが中止になった際、払い戻しにかかる金額やイベント実施にかかった費用を補填するために適用される「興行中止保険」も今回はアーティストの自己責任のため、適用されないと予測する。

今回の「公演成立・不成立の基準」の件だが、法律的にはどうなるのか? 弁護士のB氏に聞いてみた。

「客は『安全地帯が歌を歌う』という約束に対してお金を払っています。安全地帯は『歌う』という『益』を客に提供しなくてはいけなかった。玉置氏がろれつが回らなかったり、寝転がっていたというのは、益を提供する側が益を提供できていない、ということが明らかです。今回は益を提供すべき側に理由があったから『契約は成立しているけど、履行ができない』ということで、履行に代わることをしなくてはいけない。『履行に代わること』とは、『契約解除をし、損害賠償に相当する払い戻しをする』ことです」

ただし、B氏はこうも指摘する「もし、今後安全地帯が毎回このようなコンサートをやり続け、『安全地帯のコンサートはこういうものだ』と客が合理的に考えられる状態が来たとしましょう。玉置氏がいつも寝転がり、ろれつが回らなくなり、暴言を吐くのがサービスだとしたらそれは別。その認識が広まれば『公演は成立』となるでしょう」。

なお、チケットは払い戻されたが、交通費については「『そのためだけに交通費を使ってきた』ということを証明する必要があるほか、『交通費分、損させてやれ』と安全地帯が思っていたというわけではないので、その分については払い戻す必要はないでしょう」(B氏)とのことだ。

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