香港移住計画

第10回 香港ビジネスマンの金銭感覚って?

2010.10.28 THU

香港移住計画

香港では家賃と食費が個人消費の約6割!?



銀行の残高を見て、ため息。家賃は削れないし、光熱費やケータイ代もなかなか減らないんですよね~。

いっそのこと、家賃を浮かすために実家に帰ろうかなぁ? 香港でも、結婚するまでは実家暮らしが普通だっていうし…。

と、そこに待ったをかけたのは、香港在住のコーディネーター、ジョイス・ウォンさん。

「たしかにそうです。ただ、狭い土地に人口が密集していて、家賃が高くなっているからなんですよ」

しかも、ビジネス街・香港都市部近くに人気が集中しているため、築30年以上の古いビルでも家賃は高いのだとか。具体的には…?

「香港中心部から地下鉄で30~40分の場所でも、50平米の2DKで約1万2000香港ドル(約12万6000円・2010年10月19日現在)。都心部だと約2万ドル(約21万円)は下りません」

ひぇ~、築30年以上のビルで21万円! 友人と二人でルームシェアしても無理です。2006年に香港政府が発表した最新の香港住民の消費に関する調査でも、家賃は消費の約29%という結果が出ています。

そのほか、日本との消費の違いが大きいのは衣料品。なんと、消費全体のわずか0.87%なんです。そこで今度は、オーダーメイドスーツの店「ASCOT CHANG」へ! 香港のビジネスマンは、どんな格好をしているのですか?

「ヨーロッパの流行にのっとって、シャツもスーツもスリムなもの、ネクタイも幅が狭いものが人気です。ただ、オーダーメイドでスーツやシャツを作るのは、30代で中流以上の人。若い人たちは、既製服で十分満足しています。しかも、会社の規制もそれほど厳しくない傾向にあるんです。金融関係、弁護士、会計士、営業職の人などのほかは、暑い時期だと有名企業でもシャツとパンツにノーネクタイが普通ですね」(店長のトーマス・リンさん)
暑い気候も影響してか、ビジネスマンのシャツは基本的に白系か青系。12月のウィンターフェスタで大々的に行われるセールでは、格安でオーダーメイドのシャツやスーツが作れる
一般企業では会社の規制はもっとゆるく、ノーネクタイは当たり前。短い丈のダボッとしたシャツをパンツから出したスタイルが流行しているんだとか。

とはいえ、シャツ一枚でも相場は約1000~2000香港ドル(約1万~2万1000円)と少々お高め。プライベートでオシャレをする人が少ないため、衣服代の割合が低いらしいのです。

香港の人々が家賃に次いでお金をかけているのが、実は食費。先のデータによれば、消費の約27%は食費で、40代以下の人々には「料理をして家で食事をする」という考えはないそう。一食分は日本よりずっと安価だといいますが、ちりも積もれば…ってやつですね。

衣食住にお金がかかると嘆いていたけど、反省ですね。銀行の残高を嘆くなら、「基本的に食事は家で作るもの」という日本の風習を守って節約に励みますか…。
ソムリエ歴・約20年となるボビー・ウォンさん。「香港の人々は紹興酒を飲まないため、食事に合わせられるお酒としてワインがめずらかしかったのかも」とも

香港でワインブームが起こっているのはなぜ?



消費の30%近くを食費に費やす香港の人々。その香港の飲食事情に、ある変化が起きています。それが、突然のワインブーム。

きっかけは、2008年2月。政府はアルコール度数30%未満のお酒に関して、酒税を完全に撤廃。主要経済地域で唯一、ワインに関する税金がかからない場所となったのです。その目的は貿易や流通だそうですが、香港の街でも料理とワインを合わせて楽しむ人たちが急増しているらしく…。

でも日本人の感覚からすると、中国料理にワインってちょっと違和感が。ホントに流行ってるの? そこで、フォーシーズンズホテル 香港にある世界で唯一の三ツ星中国料理レストラン「Lung King Heen」へ! 

「フランス料理だけでなく、中国料理とワインも相性がいいんですよ。酒税がなくなってから、ワインはスーパーでもたくさんの種類が安く手に入れられるようになりましたし、いまや大衆的なお酒といってもいいでしょう」(ソムリエのボビー・ウォンさん)

実は数年前に、同ホテルのフレンチレストランから移ってきたというボビーさん。彼がソムリエを始めた1970年代には、ワインに関する本もほとんどなく、ソムリエもほぼ皆無だったそう。しかし現在、少なくともホテルの中国料理レストランにはほとんどソムリエがいるというのです。

2010年10月28日~31日にかけては、世界のワインが香港に集まるワインイベント「ワイン&ダイン・フェスティバル」というイベントも開催されるんだとか。なるほど、香港でのワインブームはどうやら本当みたいですね。

でもやっぱり、中国料理とワインの合わせ方って想像がつかない…。ボビーさん、どういう基準でワインを選べばいいんですか?

「素材でいえば、基本的な合わせ方はフランス料理と同じ。肉には赤ワイン、魚や野菜には白ワインが合います。ただ中国料理には、ソースの味付けに砂糖やトウガラシを使うなど、フランス料理と違う点も。辛い料理の場合は甘口のワインを合わせて辛さを緩和させ、砂糖を使った甘めの料理には辛口のワインを合わせて口の中をスッキリさせるのがセオリーですね」

また、甘さと辛さも突出しない白ワインを選べば、どんな料理にも合わせることができるといいます。

ボビーさんの考える中国料理×ワインの魅力は、ワインの種類によって同じ料理でも味わいが変わること。そのため、いつもの料理に変化が加わり、香港の人々に受けたのではないか、というのです。
その名の通り、コーヒーと紅茶を混ぜたもの。現地では「鴛鴦茶(インヨンチャ)」と呼ばれている。鴛鴦(おしどり)のように、コーヒーと紅茶がなかよくしているという意味!?
そもそも、香港の人々が普段から愛飲している「コーヒー紅茶」も、コーヒーとお茶という異文化の味を組み合わせたもの。異文化同士が融合してよりよいものを作り出すという発想は、香港に根付いた考え方なのかもしれませんね。 香港と日本でこんなにもお金の使われ方が違うとは、意外な発見でした。

でも、おいしい料理が作れたり日本でオシャレに磨きをかけて香港に乗り込めば…。
ボクのモテキはそのときにやってくるのかもしれません(ニヤリ)。

ワインブームでお酒の文化が盛り上がっているのも、呑んべえのボクとしてはうれしい限り。
いや~、早く香港に住みたい!


と、期待感も高まってきたところで、次回からも香港の知られざる魅力を追いかけていきたいと思います!

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