日照時間が長いとイイらしい

今年の紅葉はキレイ!? 猛暑と“色づき”の関係性

2010.11.04 THU



写真提供/共同通信社
秋も深まり関東でもそろそろ紅葉の気配。週末に紅葉狩りを計画している人も多いのでは? 聞くところによると、夏にたっぷり日光を浴びた葉はより鮮やかに色づくらしい。そこで、思い起こされるのが今夏の酷暑。連日猛烈な日差しが続いただけに、まさに燃えるように鮮やかな紅葉が期待できるのでは?

「確かに、紅葉の色の濃さや鮮やかさは、夏の時期の日照時間に影響を受けます。紅葉の赤色は『アントシアン』といい、光合成生産物(光合成によって作られる糖分など)が秋の気温低下とともに変化してできる色素です。夏の日照時間が長いと大量の光合成生産物が作られ、アントシアンに変わることで鮮やかな赤色となります。ちなみにアントシアンは梅干しを着色させる赤シソにも含まれています」(北海道大学農学部 造林学研究室・小池孝良教授)

ならば今年はかなり大量にアントシアンの素が溜め込まれたはず。これはやはり、最高に美しい紅葉が期待できそうですね。

「ところが…あまり期待はできないと思います。紅葉の代表種であるカエデの仲間などは弱い光をうまく利用して光合成する植物で、今夏のような強烈すぎる日差しは苦手。過剰な光をまかないきれず、いわば“日焼け”を起こしてしまうんです。そうなると葉の光合成が阻害されるため、光合成生産物の蓄積も減ってしまいます」(同)

そうなの? ではもし、これから巻き返すとしたらどんな条件が必要ですか?

「これから夜間の気温が4度~8度になる日が続けば、紅葉の鮮やかさは増すでしょう。気温が低下すると葉の呼吸速度が低くなり、アントシアンの発生が進むからです。ただし、4度以下になると葉の呼吸を司るミトコンドリアが“霜焼け”のような症状になって紅葉ができなくなってしまいます」

う~ん。美しい紅葉を拝むには、一筋縄ではいかない条件が諸々ある模様。ひとまず、アントシアンが健やかに成熟するよう、カエデにとって過ごしやすい夜を願いましょうか。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)


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