旬な人インタビュー

堀江信彦

2010.11.18 THU

premiereR25


ほりえのぶひこ●1955年生まれ。1979年に集英社に入社。週刊少年ジャンプ配属となる。現在はコアミックス代表取締役であり、同社『月刊コミックゼノン』編集長。そのかたわら、北原星望名義で原作者としても活躍中
憧れることが縁を呼び
縁が運を連れてくるんです

『北斗の拳』『花の慶次』『蒼天の拳』…。漫画家・原哲夫が描く“漢”に少年の心をつかまれた人は多いだろう。これら原作品には名ゼリフ「お前はもう死んでいる」の発案を始め、物語の世界に深くかかわった“共同執筆者”とすら言える編集者が存在する。

95年、週刊少年ジャンプ編集長時代に漫画誌史上最大の発行部数653万部を記録し、今年10月には『月刊コミックゼノン』を創刊した堀江信彦氏がその人。

ビジネスではなかなか相手の秘孔を突くこと、いや心をつかむことが出来ない僕ら。なにか奥義に至るヒントが見つかるかもしれないと、男心をつかんで離さないキャラクターを数多く手がけて来たこの“達人”に話を聞いてみた。

「まずは『憧れ』の対象を持つことですね。自身に魅力が生まれるし、それは仕事も同じ。たとえば北斗の拳の主人公・ケンシロウは、作者、原哲夫のブルース・リーや松田優作への憧れから生まれたんです。今、彼が執筆している信長の少年時代を描いた漫画『いくさの子』も、自分がもう戻れない少年という存在への憧れが元にあるんですよ」

あそこまで成功している人になお、憧れるものがあるんですか!? でも、憧れを形に出来るのは限られた人だけの才能だと思うんですよね正直。

「いやいや、憧れは縁を呼ぶんです。好きと公言することには面倒や責任が付いてくることがあるけど(笑)、憧れはもっと無責任でいい。憧れを口にしておけば、それを知った誰かがチャンスをつないでくれることがあるんです」

誰かに頼る前提でOKなんて、なんか甘やかされている気もしますけど…。

「それでいいんですよ。実力主義の時代なんて言われてますが、運命は自分の力だけで切り開かなくてもね。人との縁で、運命は変わりますから」

・月刊コミックゼノンとは…
毎月25日発売の月刊漫画誌。紙以外にも電子の“雑誌”としてのモバイルサイト、空間の“雑誌”として原画の展示、作り手と読者が触れ合えるカフェ『CAFE ZENON』(吉祥寺)を展開中。第2号は11/25発売
www.comic-zenon.jp/

今井秀幸=撮影
photography HIDEYUKI IMAI
宇都宮雅之=取材・文
text MASAYUKI UTSUNOMIYA

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